NOK、シール事業は増収減益

　NOKの2023年3月期業績は、売上高が7,099億5,600万円で前期比4.0%増、営業利益が153億7,800万円で同50.9%減、経常利益が265億5,700万円で同42.5%減、純利益が133億2,000万円で同48.4%減だった。

　セグメント別にみると、シール事業は売上高が3,470億6,600万円で同3.2%増、営業利益が178億8,500万円で同49.6%減。

　自動車向けは、中国のロックダウン、半導体などの部品供給不足の影響があったが、為替変動や原材料価格・エネルギー価格高騰に伴う売価転嫁の影響が大きく、販売は増加。一般産業機械向けは、建設機械向けを中心に中国のロックダウンの影響があったが、国内の工作装置向けなどの需要は堅調に推移。また、為替変動や原材料価格・エネルギー価格高騰に伴う売価転嫁の影響により、販売は増加した。全体を通じて、為替影響と売価転嫁の影響を除くと、実質の売上高は減少した。営業利益については、売価転嫁を上回る原材料価格・エネルギー価格高騰などの影響で減益となった。

　電子部品事業は売上高が3,345億2,300万円で同4.2%増、営業損失が37億1,200万円（前期は50億4,000万円の損失）。

　自動車向けは、中国のロックダウン、ロシア・ウクライナ情勢の影響、半導体などの部品供給不足の影響があったが、需要は増加。スマートフォン向けは、中国の一部都市における新たなロックダウンの影響で需要は減少。また、ハードディスクドライブ向けの需要も減少した。全体を通じて販売は増加したが、為替変動の影響が大きく、実質の売上高は減少した。営業利益については、人件費の削減、為替変動の影響で前期よりも損失幅は縮小した。

　その他事業は売上高が283億6,600万円で同11.8%増、営業利益が12億円で同34.3%増。自動車の減産に伴い特殊潤滑剤の需要は減少したが、事務機向け製品の需要回復および為替変動の影響が大きく、販売は増加した。

　2024年3月期業績は、売上高7,480億円で前期比5.4%増、営業利益262億円で同70.4%増、経常利益343億円で同29.2%増、純利益184億円で同38.1%増を計画している。