ブリヂストン、調整後営業利益が18.6％増

　ブリヂストンの2022年12月期第3四半期（1～9月）業績（IFRS、継続事業の金額）は、売上収益が2兆9,769億2,300万円で前年同期比28.4％増、調整後営業利益が3,421億9,700万円で同18.6％増、純利益が2,171億9,800万円で同6.2％増だった。

　調整後営業利益段階の増減要因は、増益要因が売値で2,090億円、為替で550億円、数量で360億円、MIXで290億円、その他で176億円、減益要因が原材料で1,760億円、営業費で670億円、加工費で390億円、南米通貨で110億円、差し引き536億円の増益。

　セグメント別にみると、日本は売上収益が7,281億円で同22％増、調整後営業利益が880億円で同34％増。米州は売上収益が1兆4,378億円で同37％増、調整後営業利益が1,884億円で同28％増。欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカは売上収益が6,451億円で同27％増、調整後営業利益が585億円で同81％増。中国・アジア・大洋州は売上収益が3,380億円で同22％増、調整後営業利益が272億円で同15％減。中国・アジア・大洋州の減益は、中国のロックダウンが影響した。

　財別にみると、乗用車用/小型トラック用は売上収益が1兆6,050億円で同32％増、調整後営業利益が1,936億円で同13％増。トラック・バス用は売上収益が7,569億円で同30％増、調整後営業利益が787億円で同13％増。鉱山・建設車両用/航空機用/農業機械用/二輪車用を含むスペシャリティーズは売上収益が4,016億円で同37％増、調整後営業利益が938億円で同69％増だった。「乗用車用/小型トラック用、トラック・バス用は利益率がやや低下したが、原材料高騰、インフレ加速の中、OEビジネスにおける収益性が厳しさを増していることによるもの。一方、スペシャリティーズの利益率に関しては、収益性の高い鉱山・建設車両用タイヤの販売が好調で大きく伸びた」（ブリヂストン）。

　化工品・多角化事業（継続事業ベース）は売上収益が2,047億円、調整後営業利益が72億円。そのうち、化工品事業は売上収益が1,113億円、調整後営業利益が40億円。スポーツ・サイクル事業は売上収益が524億円、調整後営業利益が8億円。米州多角化事業（空気バネ）は売上収益が380億円、調整後営業利益が17億円。

　業績予想を修正
　同社は通期業績予想を修正した。第4四半期の為替前提は、従来の1ドル125円から135円に変更した。売上収益で4兆円超えは初となる。「着実に体質を強め、業績として結果を残していくことが大切だ。一喜一憂はしないが、4兆円は一つのマイルストーンとは捉えている」（石橋秀一取締役・代表執行役Global CEO）。

　■2022年12月期通期業績予想
　◇売上高＝4兆500億円（前回予想3兆9,500億円、増減率2.5％増）◇調整後営業利益＝4,700億円（同4,500億円、同4.4％増）◇純利益＝2,600億円（同2,500億円、同4.0％増）

　調整後営業利益段階の増減要因は、増益要因が売値で3,160億円、為替で860億円、MIXで300億円、数量で100億円、その他で207億円、減益要因が原材料で2,390億円、営業費で670億円、加工費で650億円、南米通貨で160億円、差し引き757億円の増益を予想している。なお、これら増減要因の中には一過性要因として、ロシア生産・輸出停止で80億円、中国ロックダウンで120億円、米国子会社サイバー攻撃で220億円の減益要因が含まれる。