【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、400円台乗せで上げ一服
連載 2026-04-13
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=400.70円まで値上がりして2024年10月以来の高値を更新した後、調整売りで390円台まで上げ幅を削る展開になった。

4月入り後も合成ゴム主導の値上がりが続き、400円の節目を突破した。しかし、4月8日に米国とイランが2週間の停戦で合意したことで、為替が円高・ドル安に振れたことが嫌気され、調整売りが膨らみ、一時382.00円まで急落した後、390円台まで再び切り返す荒れた展開になった。
上海ゴム先物相場は1トン=1万7,000元台に乗せた。米国とイランの停戦合意を受けて原油相場が急落したことで、合成ゴムのブタジエンゴム相場は調整売り優勢の展開になった。ブタジエンゴム相場は、一時1万8,000元台に乗せていたが、1万6,000元台後半まで下落している。しかし、天然ゴム相場は堅調地合を維持し、逆に上値追いの展開が続いた。
米国とイランが停戦合意に至ったことは大きな変化であり、原油相場の急落はブタジエンゴム相場に対してネガティブである。しかし、イラン戦争勃発後に原料であるナフサ価格が急騰し、各国で調達懸念が強まる中、ブタジエンゴムは価格上昇と供給リスクという2つの不安要素を抱えた状態が続いている。このため、天然ゴムに対するブタジエンゴムの割高感はほぼ解消されたものの、ブタジエンゴムの価格・供給環境の不安定化を受けて、天然ゴムに対する値上がり圧力は維持された。
イラン戦争は、イランのホルムズ海峡の即時開放などを条件に、2週間の停戦期間に入った。11日から米国とイランの間で最終合意に向けた直接協議も始まったことになる。このまま停戦合意を遵守し、最終合意に至るのかは不透明感も強いが、原油相場の急落、株価の急伸、円高・ドル安など、マーケット環境には大きな変化がみられる。
ただし、ゴム相場に対する影響は限定されている。原油相場のピークアウトを重視すれば値下がりが、景気リスクの後退を重視すれば値上がりが支持されるが、どちらの方向にも大きな値動きはみられなかった。実際に、上海ゴム相場は停戦合意前後で目立った動きをみせていない。
一方、円建てのOSEゴム相場は、円高・ドル安圧力が上値を圧迫した。イラン戦争で発生していた「有事のドル買い」が巻き戻され、ドル/円相場は1ドル=160円水準で上値が重くなり、159円前後までの円高・ドル安になっている。大きな値動きではないが、3月下旬以降の急ピッチな値上がりで過熱感が強くなっていたこと、400円の節目到達の目標達成感もあり、利食い売りを促すきっかけになった。
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