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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、合成ゴム急伸も横ばいに

連載 2026-03-30

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=333.50円まで急落した後、370円台前半まで切り返す不安定な地合になった。イラン戦争の長期化が警戒される中、世界経済の減速懸念が高まっていることがゴム相場の上値も圧迫した。しかし、合成ゴム相場の急伸が下値を支え、大きく値を崩すことはなかった。原油相場は調整売り優勢だったが、ゴム相場は逆行高になっている。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万6,000元台半ばまで切り返している。イラン戦争が注目されるが、戦闘継続やエネルギー価格高騰の長期化による世界経済の減速が警戒されることはネガティブ。銅などの非鉄金属相場も需要不安で上値の重い展開になり、イラン戦争はゴムの需要抑制要因としての織り込みが進んでいた。しかし、その後は徐々に合成ゴムのブタジエンゴム相場の高騰を手掛かりに押し目買いを入れる動きが強まり、下げ一服となっている。

 上海ブタジエンゴム先物相場は、1トン=1万8,000元水準まで急伸し、天然ゴム相場を大きく上回った。イラン戦争勃発前は「天然ゴム>合成ゴム」となっていたが、「合成ゴム>天然ゴム」に価格バランスが転換した。

 中東情勢の不安定化を受けて、ナフサ価格が高騰、さらに供給不安も強くなっており、アジア地区では石油化学メーカーがナフサ分解装置の稼働率引き下げや生産停止などの対応を迫られている。その影響でブタジエンの供給不安も高まっており、ブタジエンゴム相場はコスト高と供給不安から急伸している。

 この影響で、合成ゴムから天然ゴムへの需要シフトが発生するとの見方も強まり、上海ゴム相場は下値を固める展開になった。根強い需要不安から大きな値動きには発展しなかったが、ブタジエンゴム相場がさらに上昇を続けるか否かが注目を集めている。

 2月28日に開戦したイラン戦争については、先行き不透明感が強い。トランプ米政権は戦闘終結に向けて15項目の計画を策定し、イランに提示したが、イランは受け入れを拒否しており、米国と協議する意図はないとしている。トランプ米大統領が協議による停戦に意欲を示し始めたことは大きな変化だが、戦争が早期に終結に至るのかは不透明感が強く、マーケット全体が突発的な急伸と急落を繰り返している。こうした中でゴム相場も強弱材料が交錯し、明確なトレンドを形成できなかった。

 為替相場は1ドル=157.50~160.00円水準で売買が交錯した。急ピッチなドル高・円安は一服したが、明確なトレンドは打ち出せなかった。円建てゴム相場に対する為替環境の影響は限定された。

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