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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、素材高で9カ月半ぶり高値

連載 New! 2026-01-12

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=350円水準まで値上がりし、2025年3月以来の高値を更新する展開になった。年末年始を挟んで上海ゴム先物相場が約3カ月にわたるボックスを上抜けしたことが好感され、OSEゴム相場も上値追いとなった。

 日経平均株価が終値での過去最高値を更新するなど、世界的に投資家のリスク選好性が高まったこともポジティブ。一方、ドル/円相場には大きな変動がみられず、為替主導の売買は限定された。

 上海ゴム先物相場は1トン=1万5,000元台前半で膠着気味の展開が続いていたが、1万6,000元台前半まで値位置を切り上げる展開になった。ゴムの需給環境に大きな変化が生じたわけではないが、素材市況全体の上昇傾向を受けて、上海ゴム相場も値上がりしている。

 上海先物市場ではブタジエンゴム相場が年末にかけて上昇傾向を強め、年明け後も一段高になっている。原油相場は、ベネズエラ情勢緊迫化にもかかわらず安値低迷が続くも、合成ゴムの値上がりが続いていることが、天然ゴム相場も支援した。天然ゴムと合成ゴムの価格差縮小の動きが、天然ゴム相場の下値不安の後退に繋がっている。

 また、素材市況全体が強含んだこともポジティブ。非鉄金属や鉄鉱石、石炭、貴金属などが高騰している。1月3日に米国がベネズエラを攻撃したことで、地政学リスクの高さが再認識される中、資源供給に対する懸念が高まったことが、資源価格の上昇に繋がっている。この流れで、ゴム相場に対しても投機筋の物色意欲が強まった。

 需給面では、タイなどで豪雨報告が続いているが、ゴム相場に対する影響は限定されている。これからウインタリング(落葉期)の減産期に向かうタイミングで供給障害のリスクが高まっていることは関心を集めたが、ゴム相場に供給リスクのプレミアムを加算するような動きは鈍かった。OSEゴム先物相場も、期近限月に対してプレミアムを加算するような動きは見送っている。緩やかな順サヤ(期近安・期先高)が形成されている。

 2月の中国の春節(旧正月)を控えて、タイヤ工場などの原料在庫補充の動きも報告されている。季節要因から減産と在庫手当強化が同時に進行すると、短期需給の引き締まりが意識される可能性がある。新たなゴム相場の値上がり要因に発展するのかが焦点だ。

 為替相場は、1ドル=156円台をコアにほぼ横ばいの展開になった。日米金融政策会合を終えて、短期的な材料出尽くし感から膠着化している。このため、為替要因で円建てゴム相場を大きく動かすような動きはみられなかった。

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