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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、円安で4カ月ぶりの高値

連載 2025-11-24

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=330円台中盤まで値上がりし、7月25日以来の高値を更新した。ゴム需給には目立った売買材料は見当たらず、上海ゴム相場は小動きが続いている。しかし、為替相場が大きく円安に振れたことで、もっぱら為替要因で円建てゴム相場は大きく上昇する展開になった。

 上海ゴム先物相場は1トン=1万5,000元台前半でほぼ横ばいの展開になった。戻り高値を更新するなど底固さは維持しているが、大きな値動きには発展しなかった。積極的な売買材料を欠いているため、週を通じて大きな値動きは見送られている。

 東南アジアでは10月下旬から改めて豪雨傾向が強くなっているが、タイでは北部で寒波、南部で豪雨と天候不順が深刻化している。天然ゴム農園が集中する南部では、累積降水量が急増しており、タイ気象庁からは洪水や鉄砲水、地滑りなどの発生リスクに注意喚起が行われている。

 このため天候リスクがゴム相場を下支えしているとの見方もあるが、OSEゴム先物相場は期近限月に対してプレミアムが加算されるような動きはみられず、緩やかな順サヤ(期近安・期先高)が形成されている。

 産地主導の値上がりではなく、もっぱら為替要因で投機買いが膨らんでいる相場とみるべきだろう。実際に上海ゴム相場は小動きに終始している。ただし、11月20日引け時点でOSEゴム相場が前週比3.3%高となっているのに対して、ドル/円相場は1.7%の円安であり、為替要因だけでは正当化できない上昇率になっていることには注意が必要だ。

 その為替相場だが、11月14日の1ドル=154.54円に対して、20日時点では157円台後半までの円安・ドル高になっている。高市政権の積極財政に対する警戒感が、長期金利上昇と円安を同時に促している模様だ。対ドル以外の主要通貨に対しても円は急落しており、為替要因でゴムの輸入コストも引き上げられている。現在のドル建て相場の水準だと、各種コストを考慮に入れなくても1円の円安・ドル高で円建てゴム相場は2.1円値上がりする計算になる。このまま円安環境が月末に向けて続くのかが注目される地合になっている。

 ゴムの需要サイドには、特に目立った動きなどは報告されていない。原油や非鉄金属相場なども大きな動きをみせていない。中国経済の減速に対する警戒感が蒸し返されているものの、資源価格全体を大きく売り込むような動きは見送られている。これから減産期に向かう一方、需要家が在庫手当てを強化する季節要因は下値サポート要因になっているが、影響は限定的だった。

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