【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、供給不安で当限主導の急伸
連載 2023-10-23
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=260円台中盤まで値上がりする展開になった。10月19日高値は276.90円に達し、2021年3月以来の高値を更新した。産地相場の急伸地合が続いたことを受けて、当限主導の急伸地合になった。

上海ゴム先物相場は1トン=1万4,000元台後半まで値上がりし、昨年1月以来の高値を更新している。産地相場高を受けて上海ゴム相場も強含んだが、中国国内の潤沢な在庫環境の影響もあり、上げ幅は限定された。
産地相場主導の上昇地合が続いている。タイ中央ゴム市場(ソンクラ)のRSS現物相場は、10月19日時点で前週比6.6%高の1キロ=59.02バーツとなっている。9月中旬時点は50~51バーツでの取引だったが、60バーツに迫る展開になっている。
背景にあるのは、引き続き産地気象環境の不安定化だ。東南アジアでは記録的な豪雨が続いており、農業生産や流通への影響が懸念されている。タイのみならず、ベトナム、ラオス、カンボジア、マレーシアなどでも豪雨が報告されており、洪水や河川の氾濫、鉄砲水の発生、道路や鉄道などインフラの破壊も報告されている。異常気象「エルニーニョ現象」が続いている影響も指摘されているが、天候相場型の値動きになっているだけに、価格が上下双方に飛び跳ねやすい環境になっている。タイ気象庁によると10月末にかけて豪雨や強風が続く見通しになっているが、供給不安を更に高める動きがみられるか否かが注目される地合になる。
こうした中で異常な値動きを見せているのがJPXゴム相場の当限(10月限)だ。13日終値で既に290.70円まで急伸していたが、19日時点では378.40円まで値上がりしている。月初から65.7%もの上昇率は明らかに異常だが、10月25日に受渡申告日を控えてショートスクィーズ気味の展開になった模様だ。取組高が大きく落ち込んだことで、強引に売りポジションの整理が促される形で相場が急伸したことが窺える。
期先限月もこうした値動きに対応せざるを得ず、月初から最大で17.6%高になっている。タイ現物相場が月初から13.0%高となっているため、天候不順を背景とした産地相場高が、消費地相場に過熱気味の高騰をもたらしたことが窺える。19日終値だと、当限と中心限月(2024年3月限)の逆サヤ(期近高・期先安)は112.20円に達しているが、そのほとんどが2番限(11月限)に対して当限に加算されたプレミアムになっている。
供給要因以外では、中東の地政学リスクの高まりを背景とした原油高、中国経済の底入れ感の影響も指摘されている。
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