コラム「Front Line」
水素社会と脱炭素化に向けた大きな一歩
連載 2023-04-24
住友ゴム工業が白河工場(福島県白河市)で進めている水素エネルギーを活用したタイヤ製造の実証実験は、製造段階のカーボンニュートラル達成だけでなく、水素社会実現に向けた大きな一歩と言えそうだ。
同社は、高精度メタルコア製造システム「NEO-T01」の加硫工程で、使用する蒸気のエネルギーを従来の天然ガスから水素へ転換した。NEO-T01の他工程については太陽光発電による電力が用いられており、蒸気を製造するボイラーのエネルギーを水素へ転換したことで、今年1月23日から製造時(Scope1、2)のカーボンニュートラルを達成した量産タイヤの生産を開始している。これまで、加硫工程で使用する蒸気は高温、高圧のため、電力に置き換えることは難しいとされていたが、水素エネルギーへの取り組みが新たな扉を開いたことになる。
実証にあたっては、水素燃焼時のNOx(窒素酸化物)のコントロールなどが課題に挙げられているが、「現状で大きな問題はない」(山本悟住友ゴム工業社長)という。
一方で、エネルギー源として活用する場合、
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