【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、産地主導でじり高の展開
連載 2021-05-31
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=250円台中盤まで切り返す展開になった。中国政府がコモディティ価格の高騰に介入する動きを見せる中、5月中旬には上海ゴム相場主導で240円台まで値下がりしていた。しかし、その上海ゴム相場が月末に向けて下げ一服となる中、安値修正の動きが優勢になっている。約2週間ぶりの高値を更新している。ただ、出来高は低迷状態が続いている。

上海ゴム先物相場は、1トン=1万3,000元台前半まで値下がりしていたが、同後半まで切り返す展開になっている。鉄鉱石相場の急落を受けて中国コモディティ市場全体に下押し圧力が強まったが、ゴム相場に関しては下げ一服感が浮上し始めている。また鉄鉱石相場は底入れを確認できておらず、銅相場なども上値の重さが目立つ。ただ、ゴム相場に関しては元々の価格水準に過熱感が乏しかったこともあり、早めに下げ止まりを打診する展開になっている。
中国政府は5月に入ってからコモディティ価格の高騰に対して、相次いで対応する姿勢を示している。12日に内外コモディティ価格の高騰を監視する姿勢を示したのに続き、19日には需給管理の方針も示している。さらに25日には第14次5カ年計画にも価格管理を盛り込み、政府の本気度を強く示した格好になっている。国内での増産を促すほか、輸出を規制するなど、いくつかの対応がすでに始まっている。政策によるコモディティ価格の管理が成功するのか懐疑的な見方もあるが、中国政府の動きが読みづらいこともあり、中国コモディティ市場全体で積極的にリスクを取りづらい地合になっている。
一方、産地相場は堅調である。ウインタリング(落葉期)の減産がピークを過ぎ、5月に入ってからは集荷量が徐々に上向いている。タイ中央ゴム市場の現物相場は、5月27日時点でUSSが前週比1.5%高の1キロ=65.47バーツ、RSSが同1.1%高の69.45バーツとなっている。RSSは年初来高値を更新しており、「底固い産地ゴム相場」と「不安定化する上海ゴム相場」の対比が目立つ状況になっている。
産地では、良好な需要環境に加えて、パンデミックによる供給制約に対する警戒感もあり、価格上昇圧力が強くなっている。このため、JPXゴム相場も期近限月主導の上昇地合が支持されやすい環境にあるが、期先限月では上海ゴム相場の不安定な値動きが警戒されているため、緩やかな安値修正の動きに留まっている。このまま産地主導で安値修正をさらに本格化させるのか、それとも上海ゴム相場主導で改めて不安定な値動きを迫られるのかが焦点になっている。
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