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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、上海主導の急反落に

連載 2020-12-14

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 JPX天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=220円台後半まで急反落する展開になった。11月の急反発を引き継ぎ、12月3日には約1カ月ぶりの高値となる266.70円まで値上がりしていたが、そこから40円近い急反落になっている。11月24日以来の安値を更新している。

 ゴム相場の地合が突然に悪化した背景にあるのは、上海ゴム先物相場が急反落していることだ。上海ゴム相場は11月10日の1トン=1万3,780元をボトムに12月2日には1万5,870元まで値上がりしていたが、足元では1万4,000元台前半まで急反落している。

 突然に地合が悪化した格好だが、中国のゴム需給環境に何か特段のネガティブ材料が浮上している訳ではない。原油や非鉄金属など他の資源相場は中国市場でも底固く推移しており、ゴム相場のみが急落する必然性は見当たらない。

 一応は、香港情勢を巡る米中の対立激化、中国通貨人民元高、米国における新型コロナウイルスの感染被害拡大などの影響が指摘可能だが、ゴム相場のみが急落したことを論理的に説明することは難しい。単純に11月の急伸地合に対する反動安の圧力が発生している状況とみるのが妥当だろう。11月は1万3,780元で下げ止まったが、同水準で二番底を確認できるかが問われる。

 一方、産地相場も急落している。タイ中央ゴム市場の現物相場は、12月10日時点でUSSが前週比10.6%安の1キロ=60.35バーツ、RSSが同12.7%安の61.75バーツとなっている。集荷環境が安定しているとは言いがたいが、ややUSSの集荷量の上振れ傾向が目立った。少なくとも産地相場高によって上海ゴム相場の急落ショックを相殺するような動きはみられず、逆に連れ安する展開になっている。

 日本の気象庁が12月10日に発表した最新の「エルニーニョ監視速報」によると、冬の間もラニーニャ現象が続く可能性が高く、春もラニーニャ現象が続く可能性の方がより高いと報告されている。

 また、東南アジアでは雨がちの天候が続いており、タイ南部でも大規模な洪水被害からの復旧作業が行われている最中である。ただ、供給不安をテーマ化するような動きはみられない。

 急騰後の急反落と荒れた相場展開が続いているが、需給評価が短時間に劇的に変わっているというよりも、投機色の強い相場展開との評価が妥当だろう。上海ゴム相場のボラティリティが極めて高くなっており、11月の急伸地合の反動安に留まるのか、それとも下値を本格的に切り下げる動きに発展するのかが問われる地合になっている。

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