【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、当限が値崩れ、逆サヤ縮小
連載 2019-08-05

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=170円台前半まで急落する展開になった。産地相場が改めて値崩れを起こす中、これまで期先限月が急落していても高止まりしていた期近限月が漸く値崩れを起こしたことで、ゴム相場全体の値位置が切り下がっている。期先は1月7日以来、当限は5月21日以来の安値を更新している。
7月中旬のタイ中央ゴム市場では、USSがじり安に対してRSSが横ばいとなっていたが、7月末を前に改めて急落地合を形成している。8月1日時点の現物相場は、USSが前週比10.6%安の1キロ=42.49バーツ、RSSが同8.4%安の44.75バーツとなっている。
産地で特別に大きな動きが報告されている訳ではないが、乾燥懸念が指摘されながらも一貫して安定した集荷量が確保できる中、改めて価格水準を切り下げる動きが優勢になっている。4月1日から始まったタイ、インドネシア、マレーシアの輸出規制が、7月末を以って期限切れを迎えた影響もあるだろう。産地相場が値崩れを起こし、それが消費地相場も大きく押し下げる、産地発の値動きになっている。
東京ゴム市場では、期先限月が産地連動で断続的に値位置を切り下げる中にあっても、当限は230円水準で下げ渋る展開が続いていた。しかし、7月30日の取引で突然に値崩れが始まり、8月2日の時間外取引では200円の大台も割り込む展開になっている。
TOCOMの「ゴム受渡細則」に7月30日付で受渡品の出庫に関して新ルールが導入された影響なども指摘されているが、時間軸としては産地相場が先に値崩れを起こしており、産地主導の値動きである可能性が高い。
ただ、上海ゴム先物相場に関しては、1トン=1万元台中盤で上値は重かったものの、大きな値崩れを起こすには至らなかった。
東京ゴム市場では、「期近限月の高止まり」、「期先限月の値崩れ」と限月間でパワーバランスが大きく乱れたことが、急激な逆サヤ(期近高・期先安)の形勢を促していた。こうした中、期近限月が漸く大きく値下りしたことで、サヤバランスも正常化に向かっている。期近限月と連動して期先限月も急落すると大幅な逆サヤが維持されたが、期先限月は緩やかな下げ相場に留まったことで、一時50円を超えていた逆サヤが、8月1日終値時点では31.60円まで縮小している。
ただ、産地相場はコスト割れが警戒されるレベルに突入しており、このまま安定した集荷環境と低調な需要環境を背景に値下りが続くのか、コストの論理が下げ止まりを促すのかが注目される。
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