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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、急落相場の反動高局面に

連載 2019-07-22


マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=180円台中盤、TSRが150円台前半まで反発する展開になった。1カ月以上にわたる急落相場で短期的な過熱感が強まる中、自立反発局面を迎えた模様だ。

 特に目新しい買い材料などは見当たらなかったが、RSS期先継足の場合だと、6月7日の207.90円をピークに7月16日の174.00円まで、約5週間で最大33.90円(16.3%)の急落相場となっていただけに、その反動高を迎えた格好になる。30ポイント割れで売られ過ぎを示す14日RSIも24ポイント台まで低下しており、投機筋の売り圧力が息切れしたことが、安値修正を促がした格好になる。

 もっとも、当限は230円水準での膠着状態が続いており、前週に続いて目立った値動きは見られなかった。結果的に、当先の逆サヤ(期近高・期先安)は縮小したが、18日終値時点でも42.00円と、引き続き高水準を維持している。

 一方で、上海ゴム先物相場は年初来安値更新の流れが維持されている。7月8日に1トン=1万1,000元を割りこんだ後も値下り傾向が続いており、1万元台中盤までコアレンジが切り下がっている。一気に1万元割れを打診するまでの勢いはなかったが、ダウントレンドは維持されている。

 産地では、引き続き高温・乾燥に対する警戒の声も聞かれるが、集荷環境は総じて安定している。エルニーニョ現象も予想以上に早く終息した可能性が高く、天候リスクの織り込みは要求されていない。現物相場は、18日時点でUSSが前週比1.7%安の1キロ=47.97バーツ、RSSが同3.3%安の48.36バーツとなっている。共に今季の最安値を更新しているが、底入れ感が強まるには至っていない。

 急ピッチな価格低下で生産国の動向が注目されるが、目立った動きは報告されていない。4月1日から始まったタイ、インドネシア、マレーシアの輸出規制が7月末で終了する予定であることもネガティブ。6月末段階では輸出規制が産地相場を押し上げたことに強い満足感が示されていたが、その後の相場急落に対しては動きを見せていない。月末に向けて、生産国が改めて市況対策に関する動きを見せるか否かが焦点になる。

 一方、需要サイドでは中国の4-6月期国内総生産(GDP)が前期比年率6.2%増と、1-3月期の6.4%増から減速していることがネガティブ材料視されている。米中貿易戦争が中国経済の成長にブレーキを掛けており、天然ゴム需要の伸びが抑制され易い環境にあることが再確認されている。米中通商協議は順調に進展しているとは言い難く、工業用素材市況全体の上値の重さが目立つ。

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