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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、材料待ちで様子見ムード

連載 2019-03-18


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=190円台後半を中心に揉み合う展開になった。TSRも170円水準でやや上値の重い展開になっている。

 世界経済の減速感が蒸し返される中、RSSは3月4日の209.50円をピークに8日の195.30円まで急落した。ただ、その後は上下双方に決定打を欠き、明確な方向性を打ち出せなかった。

 上海ゴム先物相場も、1トン=1万2,000元台前半で方向性を欠いている。景気減速懸念から2月19日以来の安値を更新しているが、1万2,000元の節目割れからの値崩れは回避されている。

 天然ゴム需給よりもリスク投資全体の地合に強く依存した相場環境になっているが、世界的に株式相場の方向性が定まらない中、ゴム相場も動意を欠いた。

 景気減速懸念が強くなっていることは間違いなく、中国の2月貿易収支、鉱工業生産といった経済指標は景気が低迷状態にあることを示している。また、中国の新車販売台数は1-2月期で前年同期比14.9%減と大きく落ち込んでいる。中国政府は1月に自動車市場のテコ入れ策を発表しているが、消費者マインドが大幅に悪化する中、回復には多くの時間が要求されることが示唆されている。

 ただ、景気減速感が強まる一方で株価は依然として高値水準を維持しており、この評価が難しい相場環境にマーケットは困惑を隠していない。

 ゴム市場でも、投資家のリスク選好度が注目される独自色が乏しい展開が続いているが、先読みの難しさから売買を見送る向きが増えている。1日の出来高は2,000枚に留まる日も少なくなく、次の方向性を探るための売買判断の材料待ちのムードに支配されている。リスクオンとオフとの評価が難しく、非鉄金属など他の産業用素材市況も方向性を打ち出せていない。

 こうした中、産地相場は緩やかな上昇トレンドを形成している。タイ中央ゴム市場の現物相場は、3月14日時点でUSSが前週比2.0%高の1キロ=48.51バーツ、RSSが同4.3%高の52.50バーツとなっている。東京や上海などの消費地相場が高値から下押しされた状態でボックス化する中、産地相場は年初来高値の更新を繰り返している。

 何か特別な材料が浮上している訳ではないが、減産期入りで集荷量が抑制されていること、4月からタイ、インドネシア、マレーシアの輸出規制が予定されていることなどが、産地相場を下支えしている模様だ。ただ、産地相場主導で東京や上海ゴム相場を押し上げていくまでのエネルギーはなく、材料待ちの時間帯になっている。

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