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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、チャイナ・リスクで軟調

連載 2018-11-05


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=160円台前半、TSRが140円台中盤まで軟化する展開になった。中国経済の減速懸念を背景に上海ゴム相場が急落する中、東京ゴム相場も前週に続いて年初来安値を更新する展開になっている。株式相場が依然として不安定な値動きを見せていること、原油相場の急落地合が続いていることも嫌気されている。

 上海ゴム相場は1トン=1万2,000元台でのボックス相場が続いていたが、10月下旬に1万2,000元台を割り込むと、一気に1万1,000元台前半まで値下がりしている。

 ゴム需給に何か目新しい材料などが浮上してる訳ではないが、一部コモディティ市場が中国経済の減速懸念を織り込む動きを活発化させており、その流れの中で上海ゴム相場も急落している。

 中国の10月製造業PMIは、前月の50.8から50.2まで低下し、2016年以来の低い水準を記録している。活動の拡大・縮小の分岐点となる50ポイントは上回っているが、新規受注を筆頭に主要指数が軒並み低下している。米中貿易戦争の影響が一部業種に深刻なダメージを与え始めており、中国の資源需要環境に対しても悲観的な見方が広がった。

 中国株は特に目立った動きをみせずに安値保ち合いとなったが、人民元が対ドルで安値更新の動きを強め、中国市場では天然ゴムの他に鉄鉱石や石炭、銅なども大きく下押しされている。

 11月末には米中首脳会談も予定されているが、一部メディアでは首脳会談が不調に終わった場合に米政府が対中追加制裁に踏み切る可能性が報じられている。11月6日には米中間選挙が控えているが、その結果次第ではトランプ米政権が更に対中強硬姿勢を強める可能性もあり、中国経済に対する依存度の高いコモディティ市況の悪化というマクロ環境が、上海ゴム相場主導で国際ゴム相場を下押ししている。

 一方、産地相場も値下がり傾向を強めている。これまでは、消費地相場が下落しても産地相場は目立った動きをみせていなかったが、タイ中央ゴム市場の現物相場は、11月1日時点でUSSが前週比1.4%安の1キロ=40.00バーツ、RSSが同3.0%安の41.25バーツとなっている。東京ゴム相場の当限は145円水準でボックス気味の展開になっているが、このまま産地相場が40バーツ割れに向かうと、水準切り下げを余儀なくされよう。

 今後はゴム農家がこれ以上の安値を許容できるのか、政府はゴム相場の値下りを放置し続けるのかといった新たな問題も浮上するが、地合の悪さが否めない状況になっている。

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