【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、生産国の価格防衛が始まる
連載 2017-12-18


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1キロ=200円台中盤をコアにした小動きに終始した。上海ゴム相場が下げ一服となったことで東京ゴム相場も底固い展開になったが、改めて上値を買い進むような動きまではみられず、決定打を欠いている。出来高も極端に低迷しており、売買見送りムードが強くポジション調整中心の展開に終始した。
12月13日には生産国会合、14日には中国11月鉱工業生産の発表を控える中、これらのイベントの消化状況によっては荒れた相場展開になる可能性もあった。
しかし、14日時点では生産国会合について何ら情報が入っておらず、国際三か国ゴム評議会(ITRC)からもプレスリリースは出ていない。月末に開催されるとの情報もあるが、詳細は明らかにされておらず、マーケットに対する影響は限定されている。
一方、タイ政府は市況対策の一環で政府機関によるゴム在庫の買い上げを実施しているが、年2万-3万トンを5万-8万トンまで引き上げると発表した。また、12日には120億バーツで20万トンの買い付けを行う方針も示している。こちらも詳細についてはまだ明らかにされていないが、生産コストをカバーできる価格水準を回復する必要性を強く訴えている。
マーケットはこうした生産国の動向に目立った反応を示していないが、輸出規制や在庫買い上げといった議論が11月末以降に活発化しており、生産国サイドの動向には注意が必要な時間帯になる。更に詳細な市場への介入方針が示された際には、生産国の論理に基づく安値是正が進む可能性がある。昨年は輸出規制発表後にゴム相場はリバウンドしており、その再現には注意したい。
一方、11月の中国鉱工業生産は前年同月比6.1%増となり、前月の6.2%増から伸びが鈍化した。ただ、市場予測とは一致していることで、特に中国経済活動の減速リスクを織り込むような動きは見られなかった。逆に、中国経済への信頼を高めていくような動きもみられず、中国関連の素材市況に対しては殆ど影響が見られなかった。
タイ中央ゴム市場の集荷量には特段の混乱はみられず、ほぼ横ばい状態が続いている。東南アジアの一部では洪水などの被害も報告されているが、産地主導で相場水準を押し上げていくような動きは確認できない。現物相場も若干の値下り圧力が確認できる程度の状態に留まっている。
相場テーマが定まっておらず、年末に向けては生産国の市況対策の動きを評価するか、そして中国素材市況がこのまま下げ止まるか否かがポイントになる。
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