【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、産地では農家が安値に抗議
連載 2017-11-27

マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1キロ=190円水準まで下落する展開になった。上海ゴム相場が改めて下値を切り下げる上値の重い展開になる中、東京ゴム相場も下押しされている。為替相場が円高気味に推移したこともネガティブ材料視され、11月21日安値は187.80円に達し、6月23日以来となる約5ヵ月ぶりの安値を更新している。
11月入りしてからの上海ゴム相場は1トン=1万4,000元水準で底堅い展開になっていたが、15日の取引では非鉄金属主導で急落し、21日には一時的ながら1万3,000元台を割り込む展開になっている。特に何か目新しいネガティブ材料が浮上している訳ではなく、非鉄金属相場は安値から自律反発的な動きを見せているが、上海ゴム相場は1万3,000元台前半をコアとした軟調地合が維持されている。
11月中旬は中国の10月鉱工業生産の下振れが非鉄金属相場主導で上海ゴム相場を大きく下押ししただけに、引き続き中国指標の動向に注意が要求される。11月30日と12月1日に発表される11月の製造業PMIなどがイベントリスクとして注目されることになる。ここで1万3,000元割れが打診されるのか、1万4,000元台に回帰するのかが重要である。
一方、主産地タイでは11月13日にゴム農家が農業省に対して抗議活動を行っている。ゴム相場の低迷について政策の失敗だとして、政策対応を要求している。
ただ、現段階では市況対策を巡る具体的な動きは報告されていない。農業省は今後も農家の意見徴収を行う方針を示しているが、現段階ではゴム相場低迷に対する農家の不満が高まっていることだけを確認しておけば十分だろう。
タイ中央ゴム市場における未燻製シート(USS)現物相場は、11月入りしてから1㎏=45バーツの節目を割り込んだ後も下落傾向が続いており、足元では41バーツ台まで軟化している。RSS現物相場も45バーツを割り込んでおり、農家の危機感が強い価格水準であることは間違いない。
特に東南アジア通貨全体が弱含む中、産地通貨建て相場に対しては下押し圧力が強まり易い状況にあり、農家が新たな抗議活動を行うことで、市況対策に関する議論が活発化する可能性には注意が必要である。東南アジアの農産物全体が同様の問題を抱えており、政策対応が導入される可能性は着実に高まっている。
引き続き上海ゴム相場主導の展開が想定され、1万3,000元割れと1万4,000元回復のどちらに向かうのかのみが注目される。中国投機筋の動向に依存した不安定な値動きが続こう。
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