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【特集】農業に貢献するゴム企業

三ツ星ベルト、農業の効率化に寄与するベルトの開発を推進

ラバーインダストリー 2025-05-28

(2週間限定で全文無料公開)
 三ツ星ベルトは2030年の“ありたい姿”として「変化にぶれない強い企業体質の確立」を掲げ,売上高1,000億円,営業利益130億円を目指す。同ビジョン達成のため,同社は各事業において事業戦略を掲げる。そのなかでも,産業機械分野においては「食へのサポート」として農業機械(農機),食品関連産業向けに高付加価値製品の開発・拡販に力を入れる。今回は,同社が取り扱う農機用Vベルトの現在地と,今後の拡販戦略について話を聞いた。

三ツ星ベルト 取締役専務執行役員 産業資材営業本部本部長 又場 敬司 氏

伝動ベルトの特長

 伝動ベルトは動力を伝達するための重要機能部品。プーリ※1と呼ばれる部品に巻きかけ,回転させることで,モーターやエンジンの動力を他の機械・機器に伝達する。自動車のエンジン補機駆動からスクーターの自動変速機,ロボットなどに幅広く使用されており,農機もその用途の1つだ。
※1動力伝達に使用される円盤状の部品。ベルトとともに用いられる。

 さまざまな分野で使用されている機械装置の駆動部品にはベルトのほか,チェーンなどが使用されている。チェーンは金属製であることから耐久性が高く,大きなトルクの伝達を可能にする。

農機内で使用される伝動ベルトのイメージ


 一方,ベルトの優位性は柔軟性,静粛性,効率性,メンテナンスの容易さおよび高速回転で使用が可能なことの大きく分けて5つ。ベルトはチェーンに比べて柔軟で弾性があるため,衝撃負荷や振動の伝達を抑制し装置を保護する役目を果たす。また軽量であることから高回転領域まで使用が可能だ。さらに,チェーンが金属同士の摩擦による動力損失,大きな振動音の発生,潤滑油を用いた定期的なメンテナンスを必要とする一方で,ベルトは動力損失が少なく,静粛性に優れ,定期的なメンテナンスを必要としない。

 以前,ベルトはチェーンと比較して大きなトルクの伝達に不利な点もあったが,心線※2に高機能材料を採用したり,ゴム配合技術の向上などにより,高負荷伝動も可能となっている。
※2ベルトの内部の動力伝動を担う部分

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