特集「防災に貢献するゴム企業」
藤倉コンポジット、数滴の液体で自ら発電「バッテリーレス液体検知センサ」―浸水、冠水、洪水など防水用途に期待
会員限定 ラバーインダストリー 2024-06-12
気候変動や少子高齢化など、社会課題の解決に取り組む画期的なセンサを対象にしたMODE社主催の「MODE Sensor Award 2023」のイノベーティブセンサー賞に輝いた藤倉コンポジットの「バッテリーレス液体検知センサ」。様々な液体のほんの数滴でセンサ自ら発電し、電源レスで水漏れなどの情報を無線によって知らせることを実現し、検知システムの構築に結び付けた。一般産業における漏水や,インフラにおける浸水、冠水、洪水などの防災対応に対しても幅広くその用途拡大が期待されている。
自ら自ら発電するセンサ
液体検知センサとは、検知する部分が液体に接したことを、化学的原理を使って信号に置き換えるというのが定義になる。
すでに市場には色々なタイプがあり、例えば振動やフロートなどで物理的に検知するタイプ。また電気を抵抗や静電容量の変化で感知するタイプ。そして、受光量や透過量によって検知する光学タイプと、いずれも科学的原理を応用して信号に置き換える装置だが、検知には電池や外部電源が必要で電源を確保しなければ作動しないという課題点を抱えていた。
藤倉コンポジットの「バッテリーレス液体検知センサ」は水に濡れることで、それを感知したセンサ部が自ら発電し、その電力で無線を発信、電源を確保できない箇所での利用を可能にしたというのが最大の特徴だ。
マグネシウム空気電池のコア技術を適用
「わかりやすく“自ら水から発電するセンサ”と言う、まさに読んで字のごとくの製品。水と括っているが、水を含む液体であれば大抵の液体で発電することができる。泥水、海水、醤油、お酒などの液体で、しかも僅かな量、数滴で発電し無線を飛ばすことができる画期的なセンサ」と先進技術戦略室次世代技術開発部の高橋昌樹部長は語る。
「バッテリーレス液体検知センサ」の発電は、
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