【コラム】人-ひと-
濵田裕氏、平成30年度工業標準化事業表彰受賞
その他 2018-11-20
防振ゴムのJIS化、免震用積層ゴムのISOなどに尽力
「この世の中で、ゴム製品の世話になっていない人はいない」と、ゴム製品の裾野の広さを強調する濵田裕・浜田技術士事務所所長。
濵田氏は33年間にわたって、ゴム関係の国内外の標準化に貢献し、工業製品の標準化推進活動に優れた功績を有するもののとして、平成30年度工業標準化事業表彰において「産業技術環境局長表彰」を受賞した。
物理試験方法や防振ゴムに関するJIS原案作成委員長を17年間にわたり務め、その間に29件の制定と46件の改正に尽力。また免震用積層ゴムのISO化やJIS化に向けて力を尽した。日本の技術および実情に応じた免震技術の普及に貢献したことが認められたものだ。
子供のころから化学に興味があった。「高校生のとき元素記号の周期表にはまった。当時は98個だったが、すべて頭に入っていた。以来、化学一筋」。
アジアで初めて開催の東京オリンピックの年である1964(昭和39)年に芝浦工業大学・工業化学科を卒業し、同年ゴム製品検査協会(現・化学物質評価研究機構)に入所。その後、1968(昭和43)年には鬼怒川ゴム工業に。日本の高度成長とモータリーゼーションの渦中でゴム材料設計や試験、製品評価、品質管理、生産技術、そして環境・リサイクルにまで渡りゴム産業の信頼性と係わってきた。
「まだまだ我々は、ゴムの“本当”を使いきっていない。非構造材ではあるけれど、さらに今後も世の中の生活に溶け込む可能性をゴムは持っている」と言い、これまで工業材料としてその性能の裏づけに携わってきた知見がゴムの可能性の背中を押す。
趣味も写真やクラシック音楽の鑑賞など多彩だが、“ユラギ”についても造詣が深い。「育った千葉の海面の“ユラギ”が根っこにある」。規格の標準化からは両端にありそうな、「ゆらゆらが、心地良い」とにこやかに話す。
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