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【特集】合成ゴム

日本ゼオン、ATSL開設、技術サービス強化

原材料 2017-07-12

 日本ゼオンの足元の合成ゴム事業は、収益が順調に推移している。特殊ゴムはシェールガスの生産回復で油井の稼働率が上がっており、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ニトリルゴム(NBR)にとって追い風となっている。「年度のスタートはまずまず順調に推移した。これを維持し増収増益を目指す。今期は、新しい中計の最終年度である2020年に向けた具体的な一歩を踏み出す年になる。大きくジャンプできるよう方向性を決めていく」(平川宏之取締役常務執行役員)。

 7月にはシンガポールにATSL(アジアテクニカルサポートラボラトリー)を開設。インド、アセアンで特殊ゴムを中心に技術サービスを強化する。「ATSLで顧客の困りごとに対応していく。ATSLの活動を通じて地域のゴム産業の発展、育成に貢献したい。ポリマーメーカーへの期待は大きいと思う」(同)。アセアンでは、当面は内燃機関を搭載した自動車の販売は増加する見通しで、同社としても内燃機関に多く使用される特殊ゴムの重要市場において、その存在感を高めていく考えだ。

 生産能力の増強も検討する。汎用ゴムでは、住友化学とのSSBRの合弁会社「ZSエラストマー」を立ち上げたが、両親会社のSSBR生産能力が「2020年頃には一杯になる」(同)見通しで、増強を検討する。「建設期間等も勘案すると、今年中には方向性を示していく」(同)という。

 特殊ゴムでは、川崎工場で生産している耐熱性を向上したHNBRの能力増強を実施する。これまでは心線処理剤などラテックス用途が順調に推移していたが、ガスケットやオイルシールなどに使用されるドライについても「認知が進んでいる」(同)として、販売が拡大している。川崎工場内に新たな乾燥設備を設置し、能力増強を進めていく。

 アクリルゴムについても、内燃機関の増加とともに需要が見込まれるアジア地域で、新プラント建設を検討する。

 特殊ゴムでは、新たな用途開拓も進めていく。アクリルゴムでは耐劣化オイル性や加工性、耐熱性を向上した新グレード開発を進め、顧客の要求に応える。またNBRでは、自動車用途以外の用途開拓を進める。「NBRは日本では自動車用途というイメージが強いが、海外では自動車用途以外に使用されるケースの方が多い。建築資材や食品用途に使用されており、そうした用途に合ったグレード開発を行っていく」(同)

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