マレーシアが本格供給開始、増強も視野
【インタビュー】宇部興産合成ゴム事業部長森滋氏-より高い品質、高い性能で貢献
原材料 2017-07-03
4月1日付で、宇部興産の合成ゴム事業部長に就任した森滋氏。入社以来、ナイロン畑を歩み、欧州駐在員も経験した。同社のポリブタジエンゴム(BR)について「歴史があり、顧客であるタイヤメーカーから認められている。技術を磨き、より高い品質、高い性能で貢献していく」と語る。
■事業部長就任の抱負
当社のBR事業は、1971年の生産開始以降、歴史のある事業で、ユニークな事業展開ができている。歴史的にタイヤ業界の成長率よりも高い成長ができ、かつグローバルに拡大している。グレードでは、高シスBRと高結晶性シンジオタクチックポリブタジエン樹脂を複合化したVCRや耐摩耗性、反撥弾性、低発熱性に優れるリニアタイプといった、他社にはないグレードを有し、世界のタイヤメーカーから認められている。需要先であるタイヤは、グレーディングなど規制が厳しくなっていくが、これまでの技術を磨き、より高い品質、高い性能で貢献していきたい。
■BR事業の現況
足元は堅調で、千葉、タイの両工場はフル生産、フル販売を継続している。マレーシア工場はタイヤメーカーの認証も取得し、今期から本格的な供給を開始する。厳しい状況だった中国工場も、ここにきて需要が伸びてきた。中国はSUVの販売が伸びており、タイヤが大型化している。それに伴い、中国工場のBRも日系、ローカルメーカー問わず採用の機会が増えている。中国はタイヤラベリングの導入により、対応できないローカルメーカーは淘汰されてくるのではないか。技術力に強みのある当社にとってはチャンスであり、例えばVCRを展開していく可能性もないとは言えない。当社のBRは日本、欧州、米国の大手タイヤメーカーで採用が増加している。今後も技術を深掘りし、良いもの、最先端のものを提案していきたい。
■今期の見通し
マレーシアが本格稼働することで、これまで千葉やタイから供給していた部分に余力ができる。タイヤ向けを中心に需要は旺盛なので、さらに拡大できるようにしたい。中国についても拡販できると考えている。原料であるブタジエンの市況を予測することは難しい。できれば安定した価格推移をして欲しい。
■今後の展開
これからも開発を重視していく。触媒も含め、新しいグレードを開発し、ラインアップを拡充していく。4月の社内の機構改革で、営業と開発が合成ゴム事業部の中に一体となった。顧客対応をより充実していきたい。生産拠点では、マレーシア工場の生産能力増強について今年中に決めたい。生産能力を年5万トンから7万2,000トンに増強したいと考えている。また5番目の生産拠点も検討を進めていく方針だ。
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