顕微鏡計測における新指標を提供、材料科学分野の解析に貢献
レゾナック、島津製作所と走査型プローブ顕微鏡の特許ライセンス契約を締結
原材料 2025-03-05
レゾナックは、表面分析手法の一つである走査型プローブ顕微鏡(SPM)に関する特許技術について、島津製作所と、非独占的実施権(特許権者[レゾナック]が第三者に与える特許発明を実施できる権利)によるライセンス契約を締結した。
同技術は、新しい計測指標を提供する技術で、今後、島津製作所が販売する走査型プローブ顕微鏡のオプションソフトウェアとして、レゾナック技術の搭載が検討される。
SPMは、ナノメートルオーダーで材料表面の微細な形状を調べることができる顕微鏡で、産業界にも広く普及している。SPMは、カンチレバーと呼ばれる板バネの先端についた針(探針)を材料表面に近づけて、材料表面から受ける力を利用し、表面の形状を顕微鏡像として出力する。

SPMの装置略図
SPMの測定方法をフォースカーブモードにすると、形状に加え、凝着力や弾性率を顕微鏡像として出力できるが、従来の技術では、鮮明な画像が得られなかったり、データの解釈に注意を要したりすることが課題となっていた。

高分子表面の観察例(左 従来技術:凝着力像、右 今回技術:破断長像)
レゾナックは、SPMフォースカーブ測定時に、探針と材料表面との間に引力が働く距離に着目。この距離を「破断長」と定義し、大量のデータを効率よく解析できる技術を見出して、容易に破断長像として出力可能にした。
破断長像では、凝着力像や弾性率像では得られない鮮明な像が得られるとともに、観測される力が「強いか・弱いか」だけでなく、「強く長いか・強く短いか」という解析ができるようになる。
破断長は、凝着力や弾性率と同様に材料表面の特性を表す基本的な計測指標として活用できることから、レゾナックは2022年に関連技術の特許を取得した。同技術は、さまざまな材料表面に適用することができ、特に高分子や柔らかい材料表面の分析において有効となっている。
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