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【インタビュー】東海カーボン取締役専務執行役員カーボンブラック事業部長室伏信幸氏

生産能力の適正化進める

原材料 2016-06-13


 ■天津工場について
 天津工場は、生産能力の適正化に踏み込まざるを得ません。昨年暮れに減損処理を行いましたが、設備があればコストは掛かります。顧客のニーズを考えると、今の生産能力では大きすぎます。足元の稼働率も半分ほどですので、身の丈にあった生産能力にし、稼働率を上げていく必要があります。

 天津工場は特殊化を進めていき、「さすがは東海カーボン」と言われるようなグレードに絞り込んでいく考えで、高付加価値化へ路線転換します。

 ■タイ工場について
 アジア全体の需要を考えた場合、需要は伸びていくと考えていますので、タイ工場は拠点としては悪くないと思っており、むしろ希望を持っています。タイでのラインの大幅再編は現段階では考えていません。

 ■カンカーブ社について
 カナダでサーマルブラックを生産するカンカーブ社は、足元で一番安定した業績となっています。販売量は若干減少しているものの、売価が維持できており、原料となる天然ガスの価格が安定しているのも大きいです。

 カンカーブ社は、世界44カ国に製品を販売しています。これを活用した販売面でのシナジーを現在進めていますが、これをさらに深めるとともに、技術的なシナジーに軸足を移していく考えです。サーマルブラックとファーネスブラックとの間で技術的シナジーを出すことで、付加価値の高い品揃えを提供できるようにしていきたいです。これを中期経営計画「T2018」の中で結実させたいと思っています。

 ■「T2018」で描くべきカーボンブラック事業
 各工場での構造改革、生産体制の適正化に加え、開発力の強化、製品の差別化を行っていきます。

 また、地域展開をどうするのかも考えていかなければなりません。自動車が世界的に年率4―5%伸びていけば、それとともにタイヤや自動車部品も伸びていきます。その点から、カーボンブラックも成長産業とみられており、年率3―4%で伸びると言われています。

 ただ、残念ながら日本での伸びは見込めません。どの地域が伸びるのかに注目し、そしてそこで先手が打てるのかを考えています。もし先手が打てるのであれば、M&Aもないとは言えません。

 ■新製品について
 インクジェット用の水性カーボンブラックに期待しています。原体から表面処理までを一貫して行っており、これは米国のキャボットと当社だけです。市場規模は決して大きくありませんが、収益の種の一つと捉えています。

 足元では、開発段階から商品化に向けた製造段階ベースに移ってきています。品種として確立してきましたので、あとは量産してどれだけコストを落とせるか、生産能力をどう確保し、そして上げていくのかという話になってきています。

 ニッチな市場に向けた製品ですので、ラインアップの一つとして今後を楽しみにしています。

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