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【インタビュー】東海カーボン取締役専務執行役員カーボンブラック事業部長室伏信幸氏

生産能力の適正化進める

原材料 2016-06-13


 今年1月1日付で東海カーボンのカーボンブラック事業部長に就いた室伏信幸取締役専務執行役員。中国など事業環境は厳しいが、生産能力の適正化を進めていく考えだ。一方で「さすがは東海カーボンと言われるような高付加価値グレード、差別化グレードには引き続き注力していく。これが生きる道」。新製品の芽も出始めてきた。

 ■16年12月期の第1四半期(1―3月)を振り返って
 カーボンブラック事業部門の第1四半期業績は、売上高が94億8700万円で前年同期比27.3%減、営業利益が11億1700万円で同188.0%増でした。売上高の減少は、原料油価格の下落に要因があります。カーボンブラックの販売価格は原料油にリンクしていますので、原料油価格の下落が続いた第1四半期は売上高が減少しました。

 一方の利益については、前年同期との比較というのが大きいです。前年同期は、タイでスプレッドが悪化したことに加え、中国での需要減少により、一昨年の同期比で利益が半減しました。

 これに対し今期は、タイのスプレッドが回復してきたこと、昨年暮れに天津工場で行った減損処理等により、償却負担が軽くなったことなどで、事業部利益は大きく伸長しました。

 ■国内事業について
 国内は、タイヤ生産と輸入品の動向に大きく左右されます。昨年は円安ということもあり中国からの輸入量は減りましたが、今年は昨年に比べ円高になると思われるので、輸入量は若干増加するのではと懸念しています。

 海外からの輸入量が、年17―18万トンで定着するようになったのは、ここ最近の話です。当社の国内生産能力が3拠点合計で21万トン超ですので、ほぼ当社1社分に匹敵する量が輸入品に切り替わった計算になります。

 輸入品が定着する中で、顧客に対しどのようなサービスが提供できるかというのは、カーボンブラック業界全体の使命だと考えています。

 ■国内拠点について
 国内に3工場を有するのは、当社だけです。東日本を石巻工場で、中日本を知多工場で、西日本を九州若松工場で、というように地産地消型で展開しています。

 ただ、輸入品の増加により地産地消のバランスは崩れてきています。当社としては、輸入品との観点からも国内の生産体制をもう一度見直さなければならないと思っています。顧客に対する安定供給と若干の余力を担保し、3工場それぞれの事情を考慮した上で、生産能力の適正化を行う考えです。

 当社の工場は、九州若松が1940年代、知多も60年代の操業で、設備の老朽化も進んでいます。特殊品などの重要なラインや必要な投資については、今後もドンドンとコストを掛けていくつもりですが、ただ単純に能力を維持するだけの投資というのは考えていかなければなりません。場合によっては、ラインを更新しないということもあり得るでしょう。

 今の販売・稼働状況であれば3工場を維持しても、顧客への存在意義はあると思っています。かゆいところに手が届く作りこみが、当社の生きる道です。そういった特殊品を供給していくには、本当は3工場体制が望ましいです。とはいえ、需要動向によっては2工場体制に踏み込む勇気も持っています。

 また、市場環境の動き次第では、他社とのコラボレーションも選択肢としてはあり得ると考えています。

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