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バイオマスナフサをクラッカーに投入へ

三井化学、持続可能性認証プログラム「ISCC PLUS 認証」を取得

原材料 2021-11-25

 三井化学と、プライムポリマー(東京都港区)は、両社の大阪工場(大阪府高石市)において、持続可能な製品の国際的な認証制度の一つである「ISCC PLUS 認証」を取得した。

 これにより両社は、21年度下期より、大阪工場のナフサクラッカーに投入するバイオマスナフサを原料とする誘導品・製品群を、同認証制度に基づいたマスバランス方式によって割り当て、バイオマス化学品およびバイオマス樹脂の販売を開始する。なお、バイオマスナフサをナフサクラッカーに投入する試みは日本で初めて。

 ISCC(International Sustainability and Carbon Certification)が展開する「ISCC PLUS 認証」は、バイオマスやリサイクル原材料の持続可能性認証プログラム。グローバルなサプライチェーンを通して管理・担保する認証制度として広く認知されており、とくに複雑な生産工程を持つ化学産業のサプライチェーンのバイオマス化を推進させるマスバランス方式(物質収支方式)の有効な認証制度になっている。

マスバランス方式のイメージ図


 マスバランス方式はすでに紙、パーム油など多様な業界で適用されており、バイオマス原料の割合を認証済みの手法で最終製品に割り当てることで、顧客は自身の意思でもって使用原料のバイオマス化を選択することができる。

 同方式は複雑な原料体系と誘導品、複雑なサプライチェーンを持つ化学業界が、社会のカーボンニュートラル化に貢献するために必須のアプローチであるため、マスバランス方式は今後化学業界で広がっていく見通し。

 三井化学グループは、循環経済の実現に向け、化学品・プラスチックのリサイクルとバイオマス化の両輪を進めている。地球温暖化対策に貢献するバイオマス化は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて重要な戦略課題と捉え、素材・プロセスの開発とともに、ステークホルダーとの対話を通じてバイオマスの社会への実装を推進していく。

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