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【特集】CMB

三洋ゴム工業、環境に配慮した製品開発に注力

原材料 2017-01-30

 三洋ゴム工業は、永年蓄積してきた研究開発、配合設計、精練技術、配合技術を駆使し、顧客ニーズに的確に合致した最適な製品を生産している。特に配合は、業界トップレベルの1,000を超える配合レシピと約1,000種類の原料を有している。

 蓄積したノウハウを基に、熟練した技を有する作業員、さらには精練・リボン出し・押出・シーティング・加硫プレス・配合・試験など充実した設備を駆使し、ISO9001に則った品質管理体制に基づき、高品質製品を生産している。このISOに関しては、17年中に9001:2015年版への移行を目指している。

 16年12月期の需要動向は、1-6月は需要環境が回復しないままで前年同期比若干のマイナスで推移した。その後9-10月以降需要環境は上向き傾向となり、通期では生産量は前期比ほぼ横ばいとなった。

 今期(17年12月期)に入っても需要動向は比較的堅調な状況にあるが、本格的な需要回復に繋がるか見通せないとしている。今後に関しては、東日本や熊本震災からの復興需要、東京五輪関連など期待できる要因はあるものの、動き出すまでには時間が掛かると予測している。さらに各種原材料の値上がりも懸念している。

 変化する需要環境を受け、同社は配合設計段階から精練技術、精練及び試験設備など高度なノウハウを積極活用し、コストダウンや加工性改善、環境対策など顧客の要求案件を実現するため、新規性を有する提案型営業を実践し高評価を得ている。

 製品面においては受注拡大を目指し、色物練りに注力している。FMB専用ラインを積極活用し、A練り・B練り、リボン・シート出しなど高品質な製品を生産している。近年はカラフルな発色性が要求されており、忠実な発色を実現するため色彩色差計により限度見本から色を特定しているほか、微妙な色調整も可能としている。

 さらにゴムオンリーの精練以外にも、高度な研究開発力や技術力を積極的に活用し、特殊素材とゴムの複合練りの研究開発にも取り組んでいる。現段階ではテスト練りや小ロット主体だが、用途開拓提案も行っている。これに加え、EPなどを主体とした低硬度ゴム練りにもチャレンジしている。

 また近年、世界各国において使用規制対象の化学物質が増加傾向にある。これに対応して、環境へ配慮した配合設計や開発も積極的に実施している。この環境問題に関しては、専任担当者を配置し、GHS(化学品の分類及び表示に関する世界調和システム)に対する社員の一層の知識向上に注力し、GHSに沿った配合設計、製品及び用途開発も推進している。

 さらに、TOP(technical ofice Protocol)つまり事務環境の自動化や、生産のための標準通信規約への取り組みも検討している。

 これら精練分野に加え同社では、金型洗浄ゴムの「ビオミセル」も展開し好評を得ている。「ビオミセル」は金型を取り外すことなく、汚れを付着させて金型を洗浄する製品で、従来品のアンモニア系材料ではないため洗浄時の臭いが少ないのが最大の特徴。製品ラインナップとして3種類のレギュラー製品以外に要望によってカスタマーグレードを確立することもできる。

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