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中期経営方針を発表

JSR、2024年度に過去最高益目指す

原材料 2021-03-26

会見するジョンソンCEO


 JSRは3月26日、2024年度を目標年度とした中期経営方針を発表し、2024年度(2025年3月期)に過去最高利益の更新を目指すことを明らかにした。なお、今回の経営方針では、石油化学系事業(エラストマー事業、合成樹脂事業)について、事業構造改革に着手しており、現時点で中長期の具体像を語る段階にないとして、その発表対象から外した。

 中期経営方針では、デジタルソリューション(特に半導体事業)、ライフサイエンス事業をコア事業に位置付け、これらに集中投資を行う。両事業を合わせ2024年度の売上収益3,000億円以上、コア営業利益600億円以上で過去最高利益の更新、ROE(自己資本利益率)10%以上、2020年度から2024年度までの5年間の売上高年平均成長率10%を目指す。

 デジタルソリューション事業ではコア営業利益率20%以上の高マージンの維持、ライフサイエンス事業では売上高年平均成長率20%を見込み、2024年度売上収益1,000億円超、コア営業利益率20%を目標にする。

 一方、石油化学系事業の構造改革については、①今後の事業環境を勘案し、制限なき事業構造改革の断行が必要と判断している②エラストマー事業は、比較的安定的にROIC(投下資本利益率)、CF(キャッシュフロー)を創出している合成樹脂事業に対し、より迅速な対応が必要な状況③3月8日に発表した早期退職優遇制度に加え、原料・物流コストの合理化などコスト削減、販売価格の適正化による収益改善策を実行している。さらに、事業・製品セグメントの整理を含めた検討も行っている④これらは短期的な施策ではなく、中長期的な観点で事業の持続性を維持するために必要な施策となる――として、今後重要な進捗があり次第、適時公表を行うとしている。

 エリック・ジョンソン代表取締役CEOは、「石油化学系事業ついては、早期退職プログラムや契約の再交渉による価格の再設定、ポートフォリオおよび生産能力の最適化、効率性改善など、構造改革を進めている」と語った。

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