価格の回復、安定化図る
タイ天然ゴム公社、ラテックス調整事業に着手
原材料 2021-02-09
タイ天然ゴム公社(RAOT)はラテックスの出荷調整事業を開始した。1月27日、ターンセータキット新聞電子版が報じたもので、20万トン以上のラテックスの出荷を遅らせることでラテックス価格下落の影響を受けたゴム農家への影響緩和を目的に価格の回復、安定化を目指す。
スカット・タンウィリヤクンRAOTオペレーション担当副総裁は、1月27日から事業を開始するにあたり、「ラテックス貯蔵用タンクと1~2カ月の品質保持が可能な化学薬品をナコンシータマラート県、トラン県、パッタルン県のゴム農園団体に支給する。今回の事業は、ナコンシータマラートゴム園基金協同組合連合社がタイのラテックス価格下落問題の解決モデルケースとして、推進役となる」と述べている。
ちなみに、RAOTによると、1月27日のタイゴム中央市場の平均価格については、USSが52.90バーツ/キロ、RSSが56.67バーツ/キロと、全体として価格は上向き傾向にあるという。
要因として、海外の先物市場の価格上昇、ゴム手袋メーカーのシートラングローブタイランド社(STGT)が新型コロナウイルス感染拡大下で業績が好調であり、今後、ゴム手袋市場は拡大するとみられるため。
タイ南部での雨によるタッピング農家の収穫への影響からラテックスの市場供給量の減少懸念、その上米ドル相場のタイバーツ高、輸送用コンテナの不足による輸送問題、新型コロナウイルス感染・拡大の推移動向、先物市場の利益確定売りなどもあり、世界経済の動きに敏感に連動するため注視が必要だとターンセータキット新聞電子版は報じている。
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