PAGE TOP

中国の需要と国内消費量増で

タイ天然ゴム、一時3年2カ月ぶりの高値

原材料 2020-09-14

 タイの天然ゴムラテックス価格が8月末に一時、3年2カ月ぶりの高値となる1キロ60バーツ(204円、1バーツ3.4円換算)を超えた。RSS3号も同60.5バーツに達し、現地ではこれら上昇は、ゴム農家向け所得補償制度の予算を200億バーツ(680億円)節約できる規模になると、タイ・カオソット新聞電子版が9月1日付で伝えた。

 背景にあるのが、中国の需要と国内消費量の増加。タイ天然ゴム公社(RAOT)のナコーン・パックウィラパット総裁は「中国の景気回復に伴い工業生産も回復している。中国では公共交通から自家用車へのシフトもあり、その結果タイヤ販売が好調で、直近の中国でのゴム需要は倍増した」との見解を示した。

 一方、国内の消費量増加に寄与しているのが、政府機関によるゴム消費促進策だ。ナコーン総裁は「ゴム価格の継続的な上昇に寄与する重要なファクターとして、タイ国内のゴム消費促進策もある」と話す。

 ゴム消費促進策のひとつに挙げられるのが、チャンタブリー県で進める路上の安全性を高めるためのゴム使用推進プロジェクト。タイ農業・協同組合省と運輸省との間で合意書が結ばれたプロジェクトで、運輸省がゴム消費と価格の適正化のために、ゴム農家団体から補修、建設資材としてゴムを買い入れる。ナコーン総裁は「路上の安全にもつながるなど期待のプロジェクトになる」と語り、セレモニーにはプラユット首相が出席するなどタイ政府としても力を入れている。

関連記事

人気連載

  • マーケット
  • ゴム業界の常識
  • 海から考えるカーボンニュートラル
  • つたえること・つたわるもの
  • ベルギー
  • 気になったので聞いてみた
  • とある市場の天然ゴム先物