金型預かり補給ゴム製品を安定供給
信栄ゴム工業、補給品BANKサービスを開始
工業用品 2020-09-14
信栄ゴム工業(岐阜県各務原市、小栗國男社長)は、コロナ時代に適した新たな補給ゴム製品調達のスタイルとして、量産終了後の金型を預かり、受注に応じて補給部品を製造・供給する新サービス「補給品BANK」の提供を今月から開始する。
「補給品BANK」は、①最終メーカーや1次・2次サプライヤーからの依頼で同社が金型を預かり、保管・メンテナンスを行う(保管料は有償)②補給部品受注の際は、同社で保管中の金型を使用し、同社が補給部品の製造・納品を行う③さらに同社が定期的に金型の保管状況を報告し、必要に応じて返却する―というもの。
同サービス開始の背景として信栄ゴム工業では、元請け業者側の課題として、①海外に部品製造を委託している場合、物流寸断や経済活動停止に伴う補給部品調達リスクを抱えている②国内下請け供給業者に製造委託している場合、下請け先の高齢化や業績悪化等に伴う廃業や金型劣化による品質低下により安定した補給部品調達にリスクを抱えている。特に新型コロナの影響でこれらのリスクが一層高まり、補給部品のサプライチェーンの再考も必要となっているとしている。
さらに供給業者側の課題としては①金型の保管・維持管理・型落ち品などの補給部品に対して、年に数回や小ロットで供給することへの負担が大きい②金型保管について「型管理適正化マニュアル」(経済産業省2020年発表)において国内製造業に対しガイドラインが提示されたが、金型保管業務は下請け製造業者にとって負担が重く、生産性向上を図る上で足かせとなっている―などがあった。
元請け業者や供給業者が補給部品調達に課題を抱えている状況の中、同社では創業70年以上にわたるゴム製品の製造実績や、自社保有の金型保管スペース、70トン前後の小型から1,000トン前後の大型まで成形可能なゴム製品用プレスなどを有効活用し、製造業全体の課題解決に繋ぐ目的で「補給品BANK」を提供することにしたもの。同サービスがニューノーマルなサプライチェーン構築に寄与するとしている。
問い合わせは信栄ゴム工業(電話058・389・1611、担当/高橋英夫執行役員)まで。