さらなる生産を促すためオープンソースデザインを共有
ダウ、簡素・軽量のフェイスシールドを開発
原材料 2020-04-23
米・ダウは4月17日、COVID-19(新型コロナウイルス)のパンデミックと向き合う医療従事者が必要とする個人防護具(PPE)の緊急ニーズに対処するため、簡素化されたフェイスシールドデザインを開発したと発表した。
また、そのデザインをオープンソースファイルで共有し、極めてニーズが高いPPEの生産率向上に貢献する。さらに、病院への配給を目的としてミシガン州に寄付する10万個のフェイスシールドの生産に向けて、協力して取り組んでいく。
同社は通常、消費者が最終的に使用するプラスチック製品を生産していないが、COVID-19のパンデミック対策に向けた取り組みとして、テキサス州フリーポートにおけるパック・スタジオ応用開発施設が備える試作・製作能力を生かし、フェイスシールドの樹脂フィルム技術を迅速に開発した。
また、他のバリューチェーンパートナーと協働し、シールドの装着感を向上させるフォームコンフォートストリップの製造業者の特定に取り組んでいく。
同フェイスシールドのデザインには非常に柔軟性があり、シールドは入手しやすい各種ポリマーから生産でき、水流やレーザー、ダイカット技術といった種々のハイスループット技術を利用したカッティングが可能。また、シールドと前額部のクッションという2つだけの部品で構成されたシンプルかつ軽量なものであるため、複数部品の組み立てを省略でき、迅速な配給が可能になる。
オープンソースデザインを共有するほか、病院への配給のためミシガン州に寄付される10万個のフェイスシールドを生産する。ミシガン州を拠点とするtinkrLABは、レーザーカットと組み立てを担う主要開発パートナーで、すでに生産の初期割当を完了している。
開発では、いくつもの試作品が実地に試験され、医師や看護士など医療従事者からのフィードバックが役立てられた。フェイスシールドの使用は一度限りということが多いが、特定のフィルム組成を活用した場合、シールドは殺菌され再利用が可能になる。
同フェイスシールドは、米国食品医薬品局のガイダンスに記述された制限事項と、公衆衛生上の緊急事態期間中のフェイスシールドに関して発せられた緊急使用許可に則した形で開発・配給されている。
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