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【特集】合成ゴム

東ソー、CRの輸出価格値上げ

原材料 2016-12-23

 東ソーの17年3月期第2四半期(4―9月)業績におけるCR(クロロプレンゴム)事業は、フル生産・フル販売に近い状況で推移した。国内は、前年同期比横ばいで推移。出荷の大部分を占める海外は、円高の影響により輸出価格は減少したが、出荷量は堅調に推移した。

 海外を地域別にみると、インドは堅調に推移。タイもプミポン国王が逝去するまでは堅調だったという。両国とも今年は農業が活況。豊作・不作で国内の消費欲が左右されるため、豊作の今年はCR需要も堅調だった。

 南米は低調。かつては接着剤需要が多かったが、現在は景気動向を反映し、苦戦を余儀なくされている。

 欧州は低位安定だが、ポーランドでは資源開発関係に需要が増加した。「資源開発関係は不調だったが、夏くらいから底を脱し、世界的に需要が戻ってきた。これまでの在庫調整の反動なのではないか」(東ソー)という。

 同社は17年1月1日からCRの輸出価格をトン当たり400ドル/360ユーロ値上げする。「CRは製造に塩素を用いるため、どうしても修繕などのコストがかかる。安定的な供給体制を維持するため、今回の値上げを決定した」(同)。

 下期および通期にかけては、「インドが堅調、また資源開発関係も動き出しているので、需要環境としては上向きつつある。拡販にも注力するが、まずは値上げをいかに浸透させていくかが課題」(同)。戦略としては、同社の得意とする硫黄変性グレード、金型非汚染グレードの拡販を進めていくとともに、手袋や水系接着剤で需要が増加傾向にあるラテックスの販売も引き続き注力。「ラテックスでは手袋用途に特化したグレードの開発を進めていく。当社は手袋用途については後発メーカーなので、このカテゴリーをどう攻めていくかが、課題でもありテーマでもある」(同)としている。

 CSM(クロロスルホン化ポリエチレン)事業については、国内はCR同様前年同期並み。海外は微増となった。中国は小型車減税による自動車生産台数の増加により、CSMも増加。また、CRでは低調だった南米も資源開発関係で需要が増加したという。

 通期見通しについては、「CR同様、需要環境は改善している。資源開発関係が回復傾向で推移してくれれば、CSMの需要も期待できる」(同)という。

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