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強度、耐摩耗性、耐久性に優れる

JSR、新規SBRを開発

原材料 2019-09-03

新規SBRを生産する四日市工場


 JSRは9月3日、乗用車タイヤ用に強度、耐摩耗性、耐久性を大幅に改善した新規のスチレンブタジエンゴム(SBR)を開発し、販売を開始したと発表した。

 新規SBRは、同社が蓄積してきた独自の分子設計技術と水素添加技術を組み合わせ、不飽和結合数を最適化。それにより、ゴム分子同士の絡み合い数の増加、架橋した際の応力集中の分散が可能となっている。従来の低燃費タイヤ用溶液重合スチレンブタジエンゴム(SSBR)対比で、強度を約2倍に向上することができる。新規SBRをトレッドコンパウンドに使用したタイヤは、従来のSSBRを搭載したタイヤに比べ、低燃費性能、グリップ性能は維持したまま、耐摩耗性を50%以上も改善する評価結果も出ている。また、新規SBRは水素添加技術により不飽和結合を低減しているため、熱や光などによる経時的な性能低下を防ぎ、大幅な耐久性の向上に寄与する。四日市工場(三重県四日市市)で、溶液重合法を用いて生産する。

 自動車業界は100年に一度の大変革期と言われ、「電動化」「自動化」「コネクティッド」「シェアリング」などの技術革新が急速に進んでいる。その中でタイヤに求められる性能も多様化しており、従来からの二酸化炭素排出量低減に向けた低燃費性能の向上に加え、高強度、高耐摩耗性、高耐久性も併せて求められてきている。新規SBRは優れた破壊強度、耐摩耗性、耐久性を活かしてタイヤトレッド部材の軽量化を実現するとともに、省燃費化、省資源化にも貢献するなど、多様なニーズへの対応を可能とする。

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