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日系メーカーフル生産も対応難しい

CRの需給が逼迫

原材料 2017-11-27

 需給逼迫を解決するための増産投資も容易ではない。需要見通しに対し、投資コストはバランスしないとみられている。

 水系接着剤や手袋、新興国でのインフラ投資による橋梁ゴム支承など今後も伸びが期待できる有望な用途がある一方で、コンベヤベルトや建設機械向け高圧ホースは「どうしても資源関連の動向の影響を受ける。過去を振り返っても、資源関連は大きな落ち込みがあった」(同)。多くは他素材に代替され、「もうCR以外では難しい用途だけが残っている」(同)という自動車部品での使用比率は高くなく、世界的に自動車生産が拡大しても、大きな恩恵は受けにくい。「水系接着剤や手袋、橋梁ゴム支承など有望な用途もあるが、大きく振れる用途がある以上、右肩上がりという成長の絵はどうしても描きにくい」(同)のが現状だ。

投資コスト過大で増産容易でない

 投資コストもネックになる。プラント建設コストが高騰している中、塩素を使用するCRプラントの投資コストはさらに嵩む。それに加え、プラントの維持メンテナンスコストも他の合成ゴムに比べ高い。増強の検討は課題にあるものの、二の足を踏まざるを得ない状況だ。

 足元の需給逼迫は、ユーザーにとっても、CRメーカーにとっても決して良い状況ではない。しかし、今のところ、それを解消する答えは明確になっていない。

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