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“逆張りの経営”戦略で上げてきた企業価値、70期に単体で150億円、グループで250億円の売り上げ目指す

【社長インタビュー】司ゴム電材社長 小泉徹洋氏

インタビュー 2024-05-20

 司ゴム電材(本社・埼玉県蕨市、小泉徹洋社長)は、2023年3月期に念願だった単独売上高100億円を超す105億8,900万円を達成。同時に傘下のグループ企業を加えた総売上高は161億500万円と160億円を突破した。「M&Aによって拡大してきたが、相乗効果として単体の収益も押し上げてきた。70期を迎える5年後には単体で150億円、グループで250億円を目指したい」と語る小泉社長。同社のこれまでの成長要因と今後の戦略を聞いた。

12年間で単独売上高3.6倍に拡大

 当社の54期にあたる2012年3月期の単体ベースでの売上高は28億8,787万円だったが、12年後の65期(2023年3月期)の売上高は105億8,937万円と3.6倍に、またグループ企業の合計は28億8,787万円だったのに対し161億548万円と5.5倍強に拡大した。12年間で念願の100億企業となり、グループ合計で160億円規模に成長できたのは、グループ化が商社・製造・調達・開発の各機能でバランスの取れた構図を築き時代のニーズに合致したことや単体の業績も相乗効果で伸長できたことが当社グループの大きな特徴であり、成長できてきた大きな要因だったと考えている。そして何より、グループ成長の大きな原動力となったのは、グループ全体の社員すべての努力であり、感謝の気持ちを忘れてはならないと思っている。

期別売上高の推移


 また、今までグループを支えてくださった取引先各社への感謝の気持ちも忘れない。

 現在グループ企業はエレベータ向けのユニット板金の司冠栄製作所、ゴム成型工場のダイトウ、そしてOA関係向けの精密板金工場となるニッシン、そして樹脂の精密加工のTMCの4社。

司冠栄製作所の外観


真空プレス(ダイトウ)


 次の目標として、5年後の70期には単体売上高150億円、グループで250億円を達成したい。

ピンチの時にどれだけ企業価値を上げられるかを考える

 私は株用語で言うところの相場の流れに逆らって投資する逆張り(値が下がっている時に買う)するタイプ。値の流れに乗って投資する順張りタイプではない。

 たまたま時代の流れによって為替差益により、大きな利益を得たり、特需により売り上げを伸ばすこともあるが、それは、会社が持つ真のポテンシャルに変化はなく、企業価値が上がったとは言えない。いわゆる順張りにより、たまたま業績が上がったにすぎない。

 私の経営思想は、基本的に逆張りで、景気が悪くピンチの時に、どれだけ企業価値を上げられるか、会社のポテンシャルを飛躍させられるか、そのために経営者として逆転の発想でどれだけ戦略を立てることができるかを、経営の主眼としてきた。

 逆張り(ピンチ)の時こそ、企業価値が上がり、企業は成長できると考えている。

メーカー力を高め企業価値を上げる

 これからは、あらゆる要因から国内でのモノ作りが見直され、カギを握ることになると思う。

 「円安」「中国の動向」「海外コストの上昇」など、輸入品については、高騰しネガティブに考えざるを得ない。そのため今後は国内のモノ作りが復活すると考えている。

 メーカー力を高めることが、国内での企業価値を上げることにつながる。

 メーカー機能を持った提案営業ができる企業。商社とメーカーの新しいコラボを考え、国内に戻ってきた仕事の取り込みに積極的に注力していく戦略だ。

 また、AIとデジタル化の時代となってきているが、逆に人の手間がかかるアナログでのモノ作りをやっていく企業は、今後確実に少なくなっていく。国内の中小メーカー企業は、どんどん減少していく傾向になると考えている。

 デジタル化が進む中だからこそ、アナログでのモノ作りを積極的に取り込んでいく。これも逆張りの経営戦略だ。

 近年は地震の多発や台風や洪水といった自然災害が企業に与える影響も多い。それらを背景に、産業界のサプライチェーンに危機感を持つ企業は多い。BCPの観点から国内での2社購買政策を強化していく傾向にあるとみている。ここにもチャンスがあり、これまで1社しか仕入先を持たなかった企業も2社購買対策を取るようになってきた。

 次の1社に選ばれる企業になるために、メーカー機能をもっとアピールしていきたい。

働き方改革や物流問題の軽減につなげる企業に

 働き方改革でトラック配送での物流費の高騰が懸念されている。国内でのモノ作りは地産地消が理想。消費先に近い場所でのモノ作りが必要とされており、それに伴って生産拠点の再配置が検討されている。

 当社では、グループ全体の工場が各地にあり、地域密着のメーカーとして、運送問題解決と負担軽減を提案していきたい。

 現在、国内では商社の存在価値が問われている。メーカー機能を持つことや、ユニット納入ができることは、商社としての差別化につながり、高付加価値のビジネスにつながるチャンスは多い。

 特に昨年新設した司ゴムの静岡事業所は、ほぼ日本の中心に位置し、国内の生産物流拠点、ユニット工場として今後の大きな飛躍に期待が持てる。

 司ゴムは、商社からスタートした企業だが、メーカー機能、開発機能、調達機能をもっと充実させ、国内、海外でその存在価値を今後も高めていきたい。

展示会やホームページで“知ってもらう”を増やす

 人材育成としては提案型の営業マンの育成に力を入れたい。このほか、当社の持つ機能を知ってもらうために、工場見学会や展示会の出展も行う。さらに6月をめどに、新しいホームページを作成中だ。ホームページでは、問い合わせに対してのSEO対策やそれと連動したマーケティング分析の自動化を図り、今後の販売促進につなげたい。

 営業力強化について、アナログとデジタル化をうまく融合させていきたい、と考えている。

司ゴム電材グループゴルフコンペ、99人参加で盛り上がる―ゲストに女子プロ4人も

女子プロは左から松田鈴英プロ、井上りこプロ、但馬友プロ、植手桃子プロ


 恒例の司ゴム電材グループのゴルフコンペが4月13日、栃木県栃木市のプレステージカントリークラブで開催された。今回は主要取引先および関係者、また同社グループの役員・社員など99人が参加。

 また、ゲストとして但馬友・植手桃子・井上りこ・松田鈴英の女子プロ4人も特別参加し、プロの技術も体感できるコンペとなった。

 表彰式では、個人やチーム表彰のほか、多くの賞が設けられ、お米や肉類など多彩な賞品に会場は盛り上がりを見せた。

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