【特集】高機能ホース
十川ゴム、サンクイックホースに75Aを追加
工業用品 2017-07-26
十川ゴムは油圧機器、土木・建設機械、船舶・車両、食品機械などの需要先における製品の変遷に対応するため、新製品開発・研究に積極的に取り組んでいる。
サンクイックホースでは耐摩耗用に新たに75A(4MPa)を追加した。大都市部での掘削工事におけるコンパクトな曲げ性能、配管の大口径化、吐出圧力の上昇といった要求に対応したもので、セメントや土砂、鉄鉱石、穀物などの搬送に適している。納期の迅速化対応のため、現状ある150A、200Aと同様に金具内筒拡大方式で設計している。
建設機械、産業エンジンにおけるオイルリモート配管及びオイルクーラー配管での100℃以上の高温油領域(最高150℃)に対応する高温油用ホースHKシリーズは、油圧ハイドロリックホースシリーズとして追加ラインアップを図った。120℃レベルでの長寿命化を実現している。
そのほか、示温材を用いた用途開発、放射線遮蔽効果のある硫酸バリウムを独自の配合設計により、重量比70%以上配合したゴムを使用したゴム押出品、ゴム金型成形品、チューブ形状への成形、樹脂シート等の開発、燃料電池業界、EV業界に向けた製品の開発も進めていく。
一方、研究においては、カバーゴムのすべり性を改善したホース外面の耐摩耗性向上のための配合や自動車配管用の高耐熱ホース、各国の透過規制に対応したホースの実績を活かした海外認証燃料ホースなどを進めている。
製品開発に対しては、これまでのノウハウや新技術の複合化に加え、ユーザーの要望や現場状況に密着したもの造りを心掛けるとともに、レスポンスの向上にも取り組んでいく。
また、もの造りにおける改革では「人に優しく」という面で取り組んでいる。作業環境を改善し、腰への負担軽減や疲労低減、製造現場で女性の活躍場所を拡大する取り組みとして、奈良工場にパワーアシストスーツを導入した。今後は奈良工場だけではなく、他工場や物流部門への展開も視野に入れ、それぞれの部門の作業に適したロボットを採用することで年齢や性別に左右されない職場環境を実現させ、作業者の労働安全衛生管理に努めていく方針。
同社は、顧客にとってより良い製品を届ける企業を目指すとともに、その製品を作る社員にも優しい企業であることを目指している。
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