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【特集】高機能ホース

クラレプラスチックス、ループホースの伸びが全体牽引

工業用品 2017-07-26

クラドリップ

 
 クラレプラスチックスの17年上期(1-6月)のホース事業は堅調だ。デリバリー・サクション、空調ダクトなどメインのループホースの伸びが全体を牽引し、「工場は計画以上の生産ができた」(同社)という。一方、土木用ホースは「5月後半からスポット案件が塊となって出てきた。リニア新幹線やオリンピック向けの需要は下期から出てくると考えている」(同)。

 下期(7-12月)の需要については、「従来が下期型ということもあり、上期に比べ若干プラスになる」(同)と見通す。土木用などが上期以上の動きとなれば、年間の売上高、利益ともに前年を上回ると見込んでいる。

 懸念材料は原材料価格、物流費の高騰。「原材料価格の上昇も厳しいが、一番のネックは物流費のコストアップ。当社は国内に伊吹工場(岐阜県不破郡垂井町)しかなく、全てをそこから輸送しなければならない。ホースは中が空洞のため、輸送効率が悪く、大きなものになると混載できずチャーターになる。物流費の高騰に対しては、現在プロジェクトを組んで対応を検討している」(同)。

 海外展開も検討材料の一つだ。「海外には様々なチャンスがあるが、汎用品で勝負する気はない。日本製への信頼も高く、高付加価値製品をどう展開していけるかを考えている。海外には日本製だけでなく、現地ローカルの製品や欧米の製品など数多くの製品がある。まずは情報収集を進め、ヒントを得ていきたい」(同)。

 製品では空調ダクトや、土木用では耐圧の複合ホースのほか排水促進導水パイプ「クラドリップ」等に注力していく。空調ダクトは高断熱などの性能が支持され、順調に成長を続けている。伊吹工場の空調ダクトの生産ラインは不足気味で、設備投資を進め、生産量を上げていく考えだ。またクラドリップは、主力用途の橋梁関連に加え、トンネルや他用途への展開も進めている。橋梁関連では圏央道、東京外環道に採用されるなどしており、販売実績を積んでいる。

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