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【特集】高機能ホース

プラス・テク、耐油タイプを上市し新規需要開拓

工業用品 2017-07-26

新製品「耐油テクノブレード」

 
 プラス・テクの17年3月期成形品部門の売上高は前期比微増。利益は不良在庫の整理を行った影響で前期を下回った。

 「ホースは工業用を中心に特注品の動きが良かったが、汎用品の動きは鈍かった。需要分野で見ると、自動車は燃料系ホースを中心にまずまずだった。土木・建築関連需要は低調だった」(同社)

 止水板は東日本大震災以降、被災地域の港湾・防潮堤関連で需要が活発だったが、16年度は減少した。「防潮堤の修復工事案件はまだあるが、人手不足が深刻なため現在は動きが止まっている。16年度以降、土木工事の優先順位が東京五輪等に関わるインフラ整備に向いているようで、防潮堤関連は一服している」(同社)という。

 今期は新製品や特注品の立ち上げもあり、売上高は前期比5%以上の増加を計画している。「4、5月は工業用の特注品が比較的好調だったが、6月はやや足踏みした。機械の組み込み需要が例年春先にあるが、今年はそれが前倒ししたため、6月が伸び悩んだようだ」(同社)。

 今後、同社が懸念しているのが物流コストの負担増。人手不足や過重労働の負担軽減を理由に運送会社が運賃の値上げを打ち出している。「大口径ホースなどはかさばるため、通常便では配送できず、チャーター便になる場合もあり輸送コストが大幅に増加する。ホースメーカにとっては深刻な問題だ」(同)。

 新製品開発については、主力製品である「テクノブレード」の耐油タイプを近々に上市する予定。「これまで耐油タイプはなかったので新規需要の開拓を期待している。今後も新製品の開発を進め、品揃えを充実させて販売拡大につなげていく」(同社)。

 同社はコンパウンド部門(原材料部門)を持っているため、配合技術や素材から製品までの一貫生産体制を構築している強みを生かし、商品開発面で他社との差別化をはかっていく。

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