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【特集】ゴムシート(ゴム板)

十川ゴム、自動車や半導体向けなどが好調

工業用品 2017-05-24

 十川ゴムの16年度(3月期)のゴムシート事業は、汎用ゴムシートの販売は伸び悩んだが、フッ素ゴムシートや特殊用途・材質シートの販売が伸長し、前期比数%の増収となった。好調だったのは自動車産業用シートや半導体関連産業向けシート、住宅設備産業用の耐電シート、その他産業用の厚物舎マットなど。これらが業績を牽引した結果、通期業績でプラスを確保した。

 17年度は前年度から一転し、厳しい見通しを立てている。「今期も汎用ゴムシートの伸びは期待できない」(同社)ことに加え、原材料価格が上昇傾向で推移しており、「特にゴム板のように製品価格に占める原料価格のウェイトが大きい製品に関しては、原材料の値上がり幅が原価に大きく影響を及ぼす」(同)と懸念している。

 このため、今期はさらに製品競争力を持つ特殊製品の情報収集と新規開発に注力するとともに、既に開発済みの放射線遮蔽シートや放熱シート、熱膨張シート、低硬度シリコーンシート、低硬度フッ素ゴムシートなどの拡販に努める。新製品では低発煙難燃シートが、鉄道車両用途として新たに欧州統一規格「EN45545-2」「R22」適合品をラインアップに加え、展開を強化していく計画。

 製品開発に対する取り組みとしては、「これまでのノウハウや新技術の複合化に加え、お客様の要望や現場状況に密着したものづくりを心掛けるほか、レスポンス向上にも取り組み、さらなる機能や特長を持った製品をつくり上げるよう努力していく」(同)考え。

 また環境対応についても積極的に取り組んでいる。同社のゴムシートカタログに掲載している全製品については既に改正RoHS指令(RoHS2)・REACH規制対応製品として製造。RoHS2は分析データによるエビデンスも順次進めており、同社HPからダウンロードサービスも行っている。

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