【特集】ゴムシート(ゴム板)
クレハエラストマー、17年度は利益体質の構築を加速
工業用品 2017-05-17
クレハエラストマーでは、ゴムシート事業部の黒字転換を目標とした事業改革を16年度から実施。現在は合成ゴムの厚物(プレス製品)を対象とした価格改定をほぼ完了し、不採算製品からの撤退も視野に入れた品種統合を進め利益体質への転換を図っている。
16年度(3月期)の業績は前期比減収となったが、「無理に売り上げを追わずに利益重視の取り組みを行った結果、特定ユーザー向けやスポット製品を除くとほぼ計画通り。事業改革のベースとなる14年度比では着実に改善の方向に向かっている」(同社)。
地域別ではゴム加工業者が多い関西地区の需要が比較的堅調で、その他関東、中部、九州地区は「大きな落ち込みもなく、ほぼ横ばい」(同)といった状況。中部地区では名古屋駅周辺でリニア開通に向けた開発が進んでおり、「トンネル工事等で土木関連向けのマイニング(耐摩耗機材用ゴム)製品に動きが出てきている。今後本格的な建設段階に進めば、ゴムシートの需要も出てくるのではないか」(同)と予想している。
17年度はゴムシート事業の黒字化に向けた最終・仕上げの年度と位置づけ、利益体質の構築を加速させる方針。「未達となっている品種統合を進めるとともに販売・生産面でムダの削ぎ落としを徹底する。高付加価値製品で新規ユーザーを獲得し、今年度末には月度で黒字化を達成したい」(同)考えだ。
営業面ではエリア毎(関東、中部、関西、九州)に利益目標を設定し、「ユーザーニーズ、販売方法、価格など、それぞれの地域性に適した戦略で目標の必達を目指す」(同)。
また販売面では3メートル幅の超広幅ゴムシート「クレハスーパーワイド」や、引き合いが増加している極薄ゴムシートの拡販に注力する。特に超広幅ゴムシートは製造設備関連や住宅関連を中心に幅広い分野に展開を広げ、“広幅でないと対応できない”用途での新たな需要開拓を進めていく。
なお、製品価格については「ナフサ価格に連動し原材料価格も上昇しており、利益体質への転換を進める上で非常に厳しい状況となっている。改定については、今後の状況を注視しながら検討したい」としている。
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