三ツ星ベルト、業界初の食品衛生法に適合した傾斜ベルト発売

　三ツ星ベルトの17年3月期搬送ベルト部門の売上高は、1ケタ後半の伸びとなった。農業関連施設向けの平ベルトや液晶製造装置向けの長尺の同期搬送用ベルト「フリースパンベルト」が2ケタ以上の伸びとなったほか、樹脂ベルトの主需要先である物流、食品向けも好調に推移した。大型案件の多かった物流向けは大きく伸びた。

　2月に開催された国際製パン製菓関連産業展「MOBAC SHOW」にベルトメーカーで唯一出展。「製パン製菓の製造工程の悩みを解決するベルトをPRした」（同社）という。

　昨年、食品向けの「高性能傾斜ベルト」と「ハイブリッドシリコーンベルト」の2仕様を発売した。

　「高性能傾斜ベルト」は、食品衛生法（厚生省公示第370号）に適合した傾斜ベルト。「食品ラインはプーリ径が小さいコンベヤが多いため、物流で使用されている傾斜ベルトの技術をそのまま転用することは難しい」（同社）中で、特殊ポリウレタンとヘリンボーンパターンを組み合わせることにより、小プーリ径対応の傾斜ベルトの開発に成功した。「食品衛生法に適合した傾斜ベルトは業界初」（同）。上期中に現在展開中のグリーンに加え、食品業界から要望の高いホワイトもラインアップする。

　「ハイブリッドシリコーンベルト」は、ポリウレタンとシリコーンとの共重合体で、離型効果の持続性に優れたベルト。パンや菓子生地など粘着性のある搬送物で使用されている。どちらのベルトもユーザーの小さな悩みを解決し、生産性向上の一翼を担う。

　今年度上期に新製品の「シリコーンコーティングベルト」を発売する。離型性に優れながらグリップ力も兼ね備える。

　18年の搬送ベルト部門売上高は増収を計画。「物流は16年度のような大型物件はないものの、全体的に良い。食品も堅調に推移する。食品は安心、安全をキーワードに、省メンテナンス、衛生的なものが求められ、細かい仕様が要求される。差別化できる部分も多く、今後も注力していく」（同）。