【特集】ゴム・樹脂コンベヤベルト
バンドー化学、FR7000シリーズなどに注力
工業用品 2017-04-19
バンドー化学の17年3月期ゴムコンベヤベルト部門の業績は、減収増益の見込み。輸出が資源開発国向けの低調と為替円高、国内が主力の鉄鋼向けの低調と収益性を重視した選別受注を行ったことで、ゴムコンベヤベルト部門全体の売上高は2ケタの減収となった。一方の利益は選別受注に加え、パイプコンベヤベルトや急傾斜コンベヤベルトといった特長品の拡販により、増益を確保した。
18年3月期のゴムコンベヤベルト部門は、「中長期経営計画の最終年度にもあたり、収益の拡大を図っていく」(同社)考え。特長品のPRを進め、国内外で新規案件を獲得していく。また東西の販社が合併し、4月に発足した販売会社「バンドー・I・C・S」との連携により、「地域密着を維持しつつ、製品単体ではなく、補修やメンテナンスを徹底した価値を認めてもらう取り組みも推し進めていく」(同)方針だ。
注力製品は難燃耐熱コンベヤベルトの「FR7000シリーズ」、バイオマス発電プラント向けコンベヤベルト「FR-BIOS」。「FR7000シリーズ」は摩耗性を維持しつつ、特殊な配合により難燃性と耐熱性を両立したコンベヤベルト。昨年10月に60-100℃までの中温領域に対応し、乾燥石灰石、製紙原料などの搬送に適したFR7500の販売を開始したことに加え、今年3月からは100-180℃の高温領域に対応し、焼結鉱、クリンカの搬送に適したFR7700の販売を開始した。
また4月からは耐油性、耐摩耗性、難燃性を兼ね備えた「FR-BIOS」の販売も開始。バイオマス発電では、燃料となる石炭、木材、PKS(ヤシ殻)を同じコンベヤラインで搬送するケースが多いが、いずれの搬送物でも安定した搬送が実現できる。「今後もFR7000シリーズやFR-BIOSといった特長品の開発を進めていきたい」(同)としている。
樹脂コンベヤベルトの17年3月期業績は、1ケタの増収の見込み。ネット通販などの増加により、物流センター向けの販売が堅調に推移。食品向けは、国内では前年並みを維持し、シェアを守った。一方、海外では、タイやベトナムなどアセアン地域での販売が伸びた。
18年3月期は、国内の販売を強化するとともに、海外ではアセアンを中心に拡販を図る。物流、食品向けを中心に伸ばしていく考えだ。
食品向けには、欧州委員会規則(PIM)に対応したベルトの販売に注力するとともに、剥離性や低収縮といった機能を付与した製品の拡販にも取り組んでいく方針だ。
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