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マイナースポーツを支えるゴム業界人

ホッケーのプレーヤーと運営の2刀流、右川ゴム製造所右川社長と入間川ゴム清水社長

工業用品 2023-08-21

 ゴムメーカー2社の社長がアマチュアスポーツを支えている。右川ゴム製造所の右川誠治社長は東京都ホッケー協会代表理事として、また入間川ゴムの清水佑樹社長は社会人プレーヤーとしてホッケー競技に携わっている。

ステッキを構える右川社長(右)と清水社長


 二人は学習院高等科でホッケーをはじめ、それぞれ進学し大学でプレーしてきた。清水社長の高等科時代には右川社長がコーチを務め指導してきた間柄だ。

 「ホッケーというと、ほぼほぼ9割の人からアイスホッケーですか?と聞き返される」と右川社長は言う。

 近代ホッケーが日本で歩んできた歴史は115年となるが、すでに4000年前のエジプトの壁画にはスティックを持ったホッケーの原型が描かれているそうだ。「棒を持ったら球を転がすというのは人間の本能的な動きなのかもしれない」と右川社長。

 右川社長は学習院高等科2年生の頃からはじめ、大学の4年間、そして社会人リーグを経験し、母校のコーチも30年ほど携わっている。「はじめは野球をやっていたが、競技人口が少ないのでホッケーならすぐにレギュラーになれると思って」と動機を思い返す。

 一方、清水社長は「高等科からはじめるスポーツを考えるとホッケーはみんな初心者で横並びのスタートとなり、ハンデがないと思った」らしい。さらには、「我々の時はすぐ上の2年生に部員がいなかったので、3年生が引退したら、すぐレギュラーになれると思った」と、二人とも「即レギュラーになれる」ところに魅力を感じたと、全く同じ理由。

 だが、実際にプレーしてからのホッケーの魅力について右川社長は「何よりもスティックワークスキルが発達してくると、フィジカルとの兼ね合いでゲーム性が高くなり面白い」、清水社長は「ショートパスで繋いでいくスピード感。相手をいかに崩していくのか、個人、チームプレイ共にテクニックが見せ場になる」と語る。ちなみに清水社長のポジションはゴールキーパー。「全身に防具を付けていても、シュートが当たると痛い」(清水社長)らしい。

 現在、右川社長も清水社長も、ホッケーの魅力を多くの人に知ってもらうことに懸命だ。「スポーツにはプレーする人、見る人、そして支える人が必要でそのバランスが取れてはじめて普及する。マイナースポーツは支える人が圧倒的に不足している」と右川社長は東京都ホッケー協会代表理事の立場で訴える。

 ホッケーのグランドは人工芝。2021年の東京オリンピック開催を機に東京のホッケー専用グランドとして大井ホッケー場(東京都品川区)ができた。

 しかし、その一方で、大きな課題が残された。今後専門施設としてどう維持していくことができるかだ。存続は「いかに東京でホッケーを普及、認知させていくか。何かスポーツを応援したい企業があれば、ホッケーに注目してほしい。何とかしなくてはいけないという使命感と東京でホッケーを誰もが知るスポーツとして認知させたいとの夢もある」と両名は語る。

 入間川ゴムには清水社長と同じメトロ東京ホッケー&アスリートクラブに所属する社員もおり、選手活動や普及活動と仕事を両立させている。さらに「6月に妻が日本ホッケー協会の監事に就任するなど、ホッケーという縁で人の繋がりが広がっていくことを実感している」と清水社長。

 9月2日と3日の2日間にわたり、日本ホッケー協会設立100周年記念イベントとしてホッケー日本代表国際強化マッチが、大井ホッケー競技場メインピッチで開催される。東京オリンピックのホッケー会場で、女子はフランス代表と男子はカナダ代表と試合を行う。前売りは2,000円。当日は2,500円。ゴム業界人が情熱を注ぐ「支えるスポーツ」を是非、観戦してみてはいかがだろうか。

 チケット販売はSTORESネットショップ【ストアーズ】から。

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