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ガスケットの締結完了をセンサーで管理

バルカー、ガスケットの締付け圧を管理できるシステムを開発

工業用品 2023-07-05

 バルカーは、シール材の一種であるガスケットを締結する際にガスケットに埋め込んだセンサーで締付け圧を管理できるシステムを開発した。

センサーで締付け圧を管理できるプロトタイプシステム


締結管理システムモニター


 同システムは、産業技術総合研究所(産総研)と2019年5月に共同で立ち上げた「バルカー産総研 先端機能材料開発連携研究ラボ」の研究成果のひとつとなる。

 危険物、高圧ガスを取り扱う石油精製・石油化学プラントにおいて安全操業は使命であり、事故を防ぐためには定期的に装置を停止し、各種点検、保全工事を実施することが不可欠となっている。

 従来はそれらの作業は作業員が器具を使って締結していたが、正しく締付けられたどうかは、熟練工の勘に頼っていたところが大きく、昨今の製造現場における人員不足やプラントの老朽化などから工事の難易度が上がり、事故リスクを抱えている締結部位が数多く存在していると言われている。

 またプラントは、いったん漏洩が起こると停止する必要があり、こうした稼働率(生産性)低下による経済的損失は、数十億円とも言われている。

 同社は、ガスケットのかたわらにセンサーを設置し、プログラムと連動させることにより、締結状態にあるガスケットにかかる面圧を直接モニタリングできるシステムを開発し、これまで勘に頼っていたガスケットの締付けにおける力加減の見える化に成功した。このコンセプトは世界初となる。

 すでに国内大手プラント会社に対して、同システムのコンセプトを伝えており、各社から好評を得ている。今後は試作品を用いて、フィールドテストを重ねながらブラッシュアップを行い、経済的損失を大幅に低減できるサービスの一つとして商品化を予定しており、将来的にはプラント操業中の締結状態を監視できるシステムの実用化を目指しさらに研究を進め、すでにリリースしている設備管理プラットフォーム「MONiPLAT」やプラントの定修工事・検査を支援するクラウドプラットフォーム「VALQUA SPM」との連携を検討していく。

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