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【特集】機能性極薄ゴムシート

霜田ゴム工業、3月からフッ素ゴムシート上市

工業用品 2017-03-22

 ゴムシート・各種ゴム製品の総合メーカー、霜田ゴム工業(工場=埼玉県越谷市)はカレンダーロールによる精密工業用ゴムシートの展開に注力している。小回りを利かせた製造体制が特徴で、少量生産にも積極的に応じるほか、未加硫ゴムの分出し加工やトッピング加工、さらに糊引き加工、各種ゴム引布製造なども引き受けている。

 同社の薄物シートは厚さ0.2ミリからで、厚み公差は±0.05ミリ、幅は1,000ミリまでの製造が可能。素材はEPやCRを中心に各種合成ゴムや天然ゴムに幅広く対応しており、オーダーメイドや材料支給による製作も請け負う。

 特にオーダーメイドは、高度な技術力により、ゴム材料・性能・寸法・状態・表面・数量など顧客のあらゆる要望に的確に対応することが可能。高品質と均一性の確かさで顧客からの信頼も厚く、同社の最大の強みとなっている。

 前期(16年10月期)業績はほぼ前年並みの水準。「対象業界や製品による浮き沈みはなかったが、全体的に特に良かったとも言えず、低位安定といったところ」(霜田知久社長)。ただ、利益面ではユーティリティコストや運送費等の高止まりなどが響き比較的厳しい状況となった。

 今期(17年10月期)は、これに加え原材料価格が上昇傾向で推移しており、足元は「生産効率の改善等で対応しているが、それも限界に来ている」(同)という状況。価格上昇は今後も継続するとみており、今期業績については前期以上に厳しい見通しを立てている。

 営業面では既存顧客を確保しながら新規顧客の開拓を積極的に進めていく方針。その施策の一環として、3月からフッ素ゴムの極薄シートを新たにラインアップに加えた。フッ素ゴムシートは厚さ0.3ミリから、幅500―1,000ミリまでの製造が可能。製品構成充実により対応の幅を広げ、新たな需要開拓を狙う。

 また情報発信のツールとして展示会を活用する。昨年に続き、10月に大阪で開催予定の「関西 機械要素技術展」に出展。関西企業を中心に、同社の強みである“オーダーメイド”と技術力の高さを訴求、新規開拓により今期売上高5%増を目指す。

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