【特集】ISO認証とゴム産業
霜田ゴム工業、品質向上や工程標準化に貢献
工業用品 2018-03-15
霜田ゴム工業(本社東京都墨田区、霜田知久社長)は、越谷工場(埼玉県越谷市)において2002年5月にISO9001認証を取得している。
同工場では、創業当初の事業である球技用ボールチューブの製造で培ってきた技術を中核に、加硫・未加硫ゴムシート、手貼り加工品、プレス成型品など各種工業用ゴム製品の製造を行っている。特に主力の加硫・未加硫ゴムシートは、CR・NBR・EPDM・NRなどを使用し、カレンダーロールにより厚さ0.2―1.0ミリ前後、最大幅1,000ミリの極薄ゴムシートを製造している。
これら極薄ゴムシートには特に高精度・高品質が要求されるため、同社では創業以来万全の品質管理体制を構築している。霜田社長はISO認証取得のきっかけとして「この品質管理体制をより一層強化向上させるため、2002年5月に9001:2000認証を取得した。さらにカレンダーロール工程などには、熟練作業員から若手への技術伝承が欠かせない。しかもただ単に『職人技』としての伝承ではなく、誰が工程を担っても品質にばらつきが無い製品の製造が可能なように、作業工程の標準化が必要不可欠となっている。ISO認証取得はこの工程標準化にも役立っており、品質が均一な優れた製品として、顧客から評価を得ている」と語る。
同認証に則り、越谷工場では品質管理体制の強化充実を常に図り、「当社の極薄シートは、現在厚み公差±0.05程度と非常に高精度を実現している。これは顧客からも高く評価され『極薄ゴムシートなら霜田ゴム工業』との認識を得ており、ISOは拡販にも繋がり業績面にも寄与している」(同)。
さらに霜田社長は、「ISO取得により、全製品製造の作業標準化やマニュアル化が図られ、工場ライン全体の歩留まりが良くなり、従来に増して効率的な製品製造が可能になった」と語る。
霜田ゴム工業では、初取得時の2000年版から、2008年版へと認証が改訂されるのに合わせて品質管理体制及び取得認証もステップアップさせており、2017年3月21日付で最新の9001:2015に改訂移行した。「当社では1934年の創業以来、品質の維持向上に努めており、品質管理の土台は構築されている。このため2015年版への改訂の際も、比較的スムーズに移行作業を進めることができた」と霜田社長。
なお同社では、ISO認証に加えて以前(2010年3月26日付承認済)には越谷工場で「国内クレジット制度(国内排出削減量認証制度)」も得ていた。同制度は、京都議定書目標達成計画(平成20年3月28日閣議決定)において規定され、中小企業等が行う温室効果ガス排出規制削減量を認証し、自主行動計画や試行排出量取引スキームの目標達成等のために活用する制度。霜田社長は、「環境保全へ貢献するために、現在も継続して排出物の削減に積極的に取り組んでいる」と語る。
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