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【特集】機能性極薄ゴムシート

クレハエラストマー、市場認知度向上で堅調

工業用品 2017-03-22

極薄シートの用途例


 クレハエラストマーが展開する極薄ゴムシートは、厚さ0.05-0.2ミリと超薄膜で公差は±10%と高精度。各種合成ゴムでの広幅(1,000ミリ)・長尺対応が可能。用途に合わせた配合設計で導電・放熱・透明・遮光性などを付与できることに加え、PET、PEI、PIなどの各種エンプラフィルムとの複合により、単体では出せなかった機能を実現できる。

 現在の展開先はエレクトロニクス(電子機器)分野が中心。主に製造工程部材等で使用されるが、15年度には「工業用電池部材」や「医療用測定機器部材」に新たに採用されるなど、着実に用途範囲を広げている。

 最近は求められる機能がより高度かつ具体的になっているのが特徴で、「ただ薄いだけでなく、電気抵抗性や熱伝導性など、ユーザーの求める要望にピンポイントで応えられる製品が求められている」(開発・技術部)。

 16年度の需要は増加傾向と堅調だ。長年にわたる地道な営業活動で市場認知度が向上したことに加え、既存ユーザーによる新規用途提案もあり「引き合いは順調に増加している」(同)。

 17年度もこれらの需要に対応しながら、新規用途展開を進める。特にメディカル分野については、「基準の厳しい医療機器への展開は難しいと考えていたが、周辺機器にまで対象を広げればニーズがあることが分かった。手応えを感じているので、今後も引き続き需要深耕を図りたい」(同)と意欲的だ。

 また営業の強化策の一環として、同社では技術者による営業マンとの同行営業を実施している。

 「早い段階で技術者を同行することで、ニーズの齟齬を失くすとともに、どうしていいか分からずに困っているユーザーにもいち早く解決策を提案できる。また採用に至らない場合も、別部門からお話を頂くこともあり、しっかりと対応することで評価や知名度の向上に繋がっている」(同)と効果を実感しているようだ。

 今後も引き合いには積極的かつ丁寧に対応していく方針。同時に業界の動向を見て、こちらからアクションを起せるシーズ型製品の開発も強化していきたいとしている。

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