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【インタビュー】横浜ゴム取締役専務執行役員MB管掌大石貴夫氏

MB事業の拡大めざしM&A積極的に推進

工業用品 2016-05-09


 横浜ゴムの15年度MB事業の業績は増収増益となった。主力のホース配管は建設機械向けの不振により減収したが、工業資材やハマタイト、航空部品は増収を達成した。同社では、MB事業の安定した成長のため今後自動車分野を強化していく方針だ。大石貴夫取締役専務執行役員MB管掌に話を聞いた。
 
 

MB事業の現況と今後

 15年度MB事業の業績は、市場環境が厳しい中で、増収増益を確保することができた。為替が円安で推移したことも業績に寄与した。

 部門別に見ると、ホース配管は需要先である建機生産の減少を受け売上高が減少。建機向けは国内・海外とも減少した。特に中国市場が厳しかった。需要回復がなかなか見込めないため、中国の高圧ホース生産拠点については、今後、新たな有効活用を考えたい。

 一方、自動車用は堅調で、北米を中心にエアコンホースが好調だった。自動車の電動化でパワステホースが減少したが、これは想定済み。オイルクーラー用やエアコン用で新しい提案をし、パワステ用の減少をカバーしていく。

 工業資材は海外を中心にマリンホース等が好調で増収となり、買収したイタリアのマリンホース子会社も好調だった。ただ原油価格の下落により産油国がマリンホースを買い控えているため、現在は減少傾向にある。国内ではゴム支承の販売が好調だった。

 一方コンベヤベルトは国内・海外とも厳しい状況だった。国内は主要需要先である鉄鋼向けが減少。製品価格も低下傾向にある。海外は資源開発関連需要が減少している。

 ハマタイトは国内・海外とも自動車用が堅調で増収となった。海外は北米、中国などが好調。建築用については、防水材で新製品を投入し拡販をはかった。

 航空部品は2ケタ近い増収になった。

 16年度業績は、増収減益の見通し。ホース配管は横ばいの予想。建機向けは厳しい状況が継続すると見込んでいるが、その分を、安定した需要が見込める自動車用でカバーしていきたいと考えている。パワステホース用は減少する見込みだが、エアコンホースで拡大をはかる。次世代冷媒として欧州で普及しているHFO-1234yfに対応したカーエアコン用ホースを昨年発売したが、これを欧州中心に国内・海外で拡販していく。

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