日本ゼオン、住友理工と共同開発
トヨタがバイオ合成ゴム用いたホースを初採用
工業用品 2016-04-25
トヨタ自動車は4月21日、高い耐油性、耐熱性が必要な特殊ゴム製部品のエンジン・駆動系ホースにバイオヒドリンゴムを世界で初めて採用すると発表した。エンジン吸気系部位に使用するバキュームセンシングホースに5月から順次適用し、年内には国内生産の全車種に採用する予定。日本ゼオン、住友理工と共同で開発した。
使用されるバイオヒドリンゴムは植物が原料のため、従来の石油系ヒドリンゴムに比べ製造から廃棄までのライフサイクルで、CO2排出量を約20%抑制することが可能。一方でバキュームセンシングホースに求められる耐油性、耐熱性、耐久性は同等レベルを確保した。
今回、植物由来原料を分子レベルで石油由来原料と結合させ合成ゴムへ変換する技術など、様々な複合化技術を駆使することにより、他のゴム製品に比べ高い耐油性や耐熱性を必要とするエンジン・駆動系部品で、その性能を確保した。また部品製造においても、従来の石油系ヒドリンゴムを用いた場合と同等の品質と量産性を確保し、市販車への採用を可能としている。
トヨタ自動車は2015年10月、持続可能な社会の実現に貢献するための新たなチャレンジとして「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表。バイオヒドリンゴムを原料とした環境適応型のバキュームセンシングホースの採用は、同チャレンジ実現に向けた取り組みの一環だ。トヨタ自動車では今後も、ブレーキ系ホース、燃料系ホースなど石油系ヒドリンゴムが採用されている他の部品にもバイオヒドリンゴムの採用拡大を目指す。
ヒドリンゴムは、自動車1台で約30キログラム(タイヤを除く)使用されているゴムのうち、1%を占めるとされている。
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