PAGE TOP

工場などを稼働しながら改修可能

早川ゴム、屋上防水の新工法を開発・発売

工業用品 2021-07-06

 早川ゴムは、工場・倉庫・商業施設等の大規模建築物の屋上防水材として一般的に採用されている既存TPOシートへの接着改修工法を可能にするプライマー「IB-TPOプライマーMR-Z」を開発、同プライマーを使用した屋上防水用の軟質塩ビシート「サンタックIB」の新たな防水仕様「IB-RS-BM工法」の販売を開始した。

新工法の施工イメージ


 TPOシートとは、オレフィン系熱可塑性エラストマーで構成されたシートで、紫外線に対する耐久性が高い反面、接着剤やシーリングの付着性が悪く、難接着という特性を持つ。そのため従来からTPOシートへの使用可能なプライマーはあるものの、屋上防水という過酷な条件下で十分な性能を満たす専用プライマーはなかった。

 屋上防水改修時には、既存防水層全面へ機械的にシートを固定(ビス固定)する工法しか選択できなかったため、ビス固定時の切粉が落下し、工場稼働や商業施設の使用に影響するなどの問題があった。

「IB-TPOプライマーMR-Z」


 同社では、既存TPOシート全面へ「IB-TPOプライマーMR-Z」を使用し、サンタックIBシートを施工することで、工場稼働や商業施設の使用を制限せずに屋上防水層の改修を実現する工法を開発したもの。「IB-TPOプライマーMR-Z」は、同社の粘着の配合技術(難接着面同士を強固に固定)を応用し、TPOシート向けに開発されている。

 同社によると、近年、大規模建築物にはRC構造よりも重量が軽く工期が短縮できることから、屋上防水材としてTPOシートや軟質塩ビシートによる防水材が多く採用されている。防水材の耐用年数は20年前後のため、これから改修が必要な建築物は全国に存在し、今後多くの改修需要(年間80万平方メートル)が期待できる。同社では積極的な販促活動を行うことで、3年後には売上高8億円を計画している。

人気連載

  • マーケット
  • ゴム業界の常識
  • 海から考えるカーボンニュートラル
  • つたえること・つたわるもの
  • ベルギー
  • 気になったので聞いてみた
  • とある市場の天然ゴム先物